2020年4月14日火曜日

石膏準備

昨日の続きで石膏型作りの準備です。まずは前に作った石膏から原型の型取りです。この型は、原形を作るための型で、すり減らないようにするため、保管していたものです。まあ、オリンピックで言えば最初の聖火のようなものです。もう何十年も前に作ったものです。量産用では一つの型からいっぺんにたくさん作れるように作りますが、この型は一個しか型取りできません。だから、たくさん原形を作るためにはなんども型抜きを繰り返さないといけません。結局一日がかりになってしまいました。休憩時間には石膏の取り扱いについて、学習し直しました。

基本的な知識ですが、石膏が硫酸カルシウムというものでできていること。海外では、湖や海に堆積したものが使われているのですが、日本のは、温泉から湧き出した水と一緒に地表に溶け出したものが使われていること。その硫酸カルシウムを150度で焼いて作るということ。思ったよりも低い温度で焼かれていました。先日。マスクの接着に使ったホットボンドも150度くらいで溶解していました。何か因果関係がありそうですが、ただの偶然のようです。石膏というとすぐに思い出すのが、学校の美術室にあった石膏像です。美大を目指す人は、毎日石膏デッサンに明け暮れたものでした。あの石膏像は、ほとんどが大理石で掘られたギリシャ、ローマ彫刻から石膏どりしたものです。マルスやヘルメス、アマゾン、パジャントなどが有名です。おそらく直接型取りした一個の石膏像から、次々と枝分かれして、今ではどこの学校でも見られるようになったのでしょう。まあ、この現代なら3Dプリンターでいくらでも作れるとは思いますが。あの時代には、石膏という素材は、立体物のコピーにはどれほど貢献したか計り知れません。陶芸の世界でも、未だに石膏の存在感は揺るがないようです。