2020年7月31日金曜日

ルドベキア

工房の窓際の花瓶にルドベキアが一輪生けられています。

昨日、息子が、前の崖から切って生けました。最初、すぐに萎れて元気がなかったのですが、水切りしなおしたら、シャキッとなりました。この花は、毎年夏になると咲き出して、秋が深まるまで咲き続けます。だいぶ前にタネを蒔いて、育てたものがすっかり根着いて毎年咲かせてくれます。今年の長雨でだいぶ減ってしまいましたが。家の下の花壇に植えた方は根腐れして枯れてしまいました。この花は、花が終わって枯れた後も姿が可愛らしくて、いつまでも心を休ませてくれます。この花に出会うと夏が来たなというよりも、なぜか秋が近づいたなという気分になります。もう、明日から八月です。そして、お盆がやって来ます。お盆を過ぎればもう秋まっしぐらです。今年の秋は特別な気がします。新型コロナは収まる気配が見えません。確か梅雨ごろにはなんとかなるのではという観測もありましたが、希望に終わってしまいました。この先一体どうなるのでしょうか。おそらく誰も予測できないのだと思います。それに今年はまだ、台風も発生してません。早い年は6月から来たというのに。九州豪雨もありました。今後の台風も心配になります。

2020年7月30日木曜日

ヘチマ

県道沿いの散歩道にヘチマがぶら下がっています。誰かがタネを蒔いたのか、勝手に出てきたのかわかりませんが。見事な実が二つ。それが今朝は一つだけになっていました。

誰かがもいで行ったようです。我が畑のヘチマはようやく花が咲き始めたところです。庭の花壇に植えた二つは長雨で消えてしまいました。それなりに手入れをしてはいたのですが。畑に植えた3本にはパイプで棚を作ってひもで誘引しました。なぜヘチマを育てているのかというと岡本綺堂のエッセイでヘチマの花が大好きと書かれていたからです。そんなに綺麗なのかと育ててみることにしました。ヘチマは、こちらでは野菜として扱うようです。若い実を味噌汁の具にしたり、油炒めにして食べます。それにしてもあの県道のヘチマ、誰かが世話をしているようには見えません。あのように、自然に育ったときは条件がぴったり合っているのでしょう。なんだか、ちょっと複雑な気がします。自然の力には勝てないということでしょうか。

2020年7月29日水曜日

ノコとナタ

今朝、畑仕事を終えて家に戻ると、下の庭でカミさんが木の枝を切っていた。伸び放題になったデュランタの枝。上に伸びた何本かが背が届かないので切ってくれという。軽トラのボックスからナタガマを取り出して、ザクザクときる。普通のナタよりの持ち手が長くてこういう時に役に立つ。実はこのナタガマ、去年だったかの奉仕作業で失くしてしまった。木の枝を切って集めてていたら、ショベルカーがやってきて、思わず手放した時、枝と一緒に山に中へと押していってしまった。使い込んでいたので悔しかったが、仕方がない。新しいのを探していたのだが、屋久島の店では見つからなかった。それが先日、ネットのオークションで手頃なのを見つけて落札した。二本がセットになっていて、一本は予備として工房においてある。もう一つが腰ノコ。

こちらも近くの店に昔はおいてあったのだが、近頃は需要がなくなったらしく入荷しなくなってしまった。手頃なのを探していたところ、やはりオークションで見つけて落札してしまた。この時はちょっと酔っ払っていて、入札した記憶が曖昧だった。落札できるとは思わなかったが、届いてびっくり、同じのが10本まとめて届いたのだから。確かに金物屋在庫品と書かれていたし、値段もちょっと高いなと思ったのだが。今は腰ノコ大尽になってしまった。死ぬまで使い切ることは無理だと思う。呑んでからのオークションは危険だと反省しています。

2020年7月28日火曜日

ヤマミズとヤマセミ

水が止まったというので水源地に上がってみました。枯れた杉の木が倒れて、水道パイプの上にのしかかっていました。本当はチェンソーで切り倒さないといけないのですが、幹の上の方にツルが絡まっています。下を切っても引っかかって途中で止まってしまいそうです。そうなると、何かの拍子に倒れた時、人が下にいたら危険です。簡単に手を出さない方が良さそうです。そこで、なんとか工夫して、とりあえず水道だけは繋いできました。帰り道で、軽トラの前を妙な鳥が飛んでいました。頭が大きくて、モヒカンのように毛が立って飛び方も変です。怪我でもしているのか、十メートルほど飛んでは着地してまたしばらく飛んでを繰り返し、ずっと前を飛んでゆきます、脇へ避ければば良いのになぜか前をずっと飛んでゆきます。体はかなり大きく鳩を一回り大きくしたぐらいです。羽根は短めで、体はグレート白のまだら模様です。工房に戻って、図鑑で見るとヤマセミというのに似ています。

九州以北に生息して、離島にはいないと書かれています。それでは別の鳥かなといろいろ調べましたがそれらしい鳥が見つかりません。息子がネットで調べると、どうやら屋久島には生息しているらしいとわかりました。崖に穴を掘って巣を作り、水に飛び込んで魚を捕まえるそうです。それであのように頭でっかちなスタイルなのでしょうか。それにしてもあの頭の毛にはどんな意味があるのでしょうか。確かに格好は良い気はするのですが。

2020年7月27日月曜日

秋近し

来週はもう八月になります。古い「やさい畑」という雑誌を見ていたら、夏の号に秋冬野菜の種まきの記事が出ていました。

八月になると、キャベツやブロッコリーの種まきの時期とのことです。まだ、ハウスではかぼちゃやメロンの芽が出たばかりだというのに。まあ、こちらががぼやぼやして時期を逃していたのですが。それにしても、季節はどんどん進んでゆきます。まだ梅雨も明けてないのですが。今年は長雨のため、野菜が不作で、値段も高騰しているようです。先日、スーパーで見て驚きました。屋久島も雨が続いて、無人市にもほとんど何も出ていません。きっとまともに育たなかったのだと思います。だから、今頃タネを蒔いているのも、あながち間違いでないかもしれません。ただ、これから秋が近づいても、夏野菜が頑張っていたら、植える場所がなくなります。今年は特に里芋とサツマイモを多く植えましたので余計に空きが少なくなってしまいました。まあ、成り行きに任せて、マイペースでやってゆこうと思います。

2020年7月26日日曜日

ゴーツー体験

ゴーツートラベルキャンペーンの4連休の最終日。しかも雨模様です。朝から、陶芸体験です。午後も埋まって、忙しく過ごしました。

お店にもお客さんが来てくれて、久しぶりに賑わいました。おそらく、日本の各地も人が出たのでしょう。ここ数ヶ月、自粛生活を強いられてみなさんフラストレーションもたまっていることと思います。どこかで、踏ん切りをつけないと、冷え切ってしまうでしょうし。二週間後の新型コロナの感染者の数が心配になります。

2020年7月25日土曜日

野菜の苗

今朝は雨が降ってましたので、ビニールハウスでバジルの苗をポットに植え替えました。トレーにバラ蒔きしたものです。

去年は三度も蒔きなおしました。芽が出ると全てカタツムリが食べてしまったからです。今年は去年ほどの大発生はなく、種蒔きした野菜も割と順調に育っています。ただ、時期が遅かったので、気温が高すぎて、うまく発芽しないものもありましたが。何しろ袋に書いてあるよりも1,2ヶ月遅れていますから。現在ハウスには万願寺とうがらし、島とうがらし、なす、かぼちゃ、メロンが育っています。いずれもやっと本葉が顔を出した程度の赤ちゃんです。以前でしたら時期を逸したら諦めてしまったのですが、ここは屋久島です。どんなに冷え込んでも零度以下になることはありません。昔、12月にポンカンの収穫の手伝いに行っ時、畑にミニトマトが元気に育っていました。ハウスの中には、2年もののピーマンにシシトウ、三年ものの唐辛子が頑張っています。だから、野菜作りの本に書かれていることは、参考にはしますが、実際に育ててみないとわかりません。畑には、年を越したバジルも生きています。地球温暖化もあって、植物の生育も変わってきているでしょうし。この前は、バス停の脇で彼岸花が花を咲かせていました。十日ほど前にはツクツクボウシが鳴いていました。ところで話は変わりますが、誰か、梅雨になったら新型コロナウィールスは死滅すると言った人がいませんでしたか。あまり、生態がわからなかった頃ですが、いろいろなことが言われていました。おそらくこれから数ヶ月すると、また状況の変化から、新しい発見というか学説が出てくるのでしょうね。

2020年7月24日金曜日

カード決済

なんとか、カードでの支払いに対応できるようになったかなと思えるようになったところに新手が現れました。その名はクイックペイというものです。幸い息子が対応したのですが、カードではなくスマートホンで支払いします。仕組みはカードリーダーにスマホのアプリを読ませることでた対応するようです。こちらには皆目見当がつきませんが。話を聞いて、対応できるリストを見るとなんと19種類あります。

一般的なクレジットカードを含めるとこれほどの種類があったのかと唖然とさせられました。しかも、それぞれにカードリーダーが対応して、あっという間に手続きを終了してしまうわけでこれまた、恐ろしい気がします。全くテクノロジーの変化にはついてゆくことができません。こんな離島の片隅にもキャッシュレスの波が押し寄せているのですから。

2020年7月23日木曜日

化粧掛け

化粧は難しい。我が工房の特徴をあげると化粧の多用があると思います。特に黒化粧をかけた上に白化粧をかけることがよくあります。昔絵を描いていた関係で、マチエールに凝る癖が抜けません。ところが白化粧との相性が悪くなってずいぶん経ちます。ようやく最近定着が良くなってきましたが、今度は作品が割れることが多くなりました。新しく調合した化粧がいつまでも乾かないからだと思います。今日も朝かけたのに夕方になっても全く乾いてくれません。別の化粧は三時すぎに掛けたのに夕方には色が変わってきました。

濡れが良くて生地にはしっかりと定着するのに、乾きが悪く割れてしまう。物事とはいつも「帯に短し襷に長し」、いや「一長一短」、全てがうまくゆくことはなかなか無いようです。

2020年7月22日水曜日

扁小壷本制作

本制作に取り掛かりました。扁小壷です。次は色のバリエーションを増やして、いろいろやってみようと思います。口作りも変化をつけて。

ようやく晴れた日が続くようになりました。暑い暑い夏の到来です。けれど、例年と違うところはお客様が来ないことです。なんだか力が抜けてしまいます。おそらく世界中の人たちが同じ思いをしているのでしょう。少しずつ一歩ずつ、前を向いて進んでゆきましょう。

2020年7月21日火曜日

青釉扁小壷

焼きあがりました。青釉の小壷です。我が工房の青釉は流れやすいので、器の外側に使えません。流れて底が張り付いてしまいますから。それで寝かして焼く事を思いつきました。それに平らでないとやはり流れてしまいます。型で平たい形の壺を作ってみました。いわゆる扁壺というものです。今回は、これを無事焼けるかテストしました。結果は思った通り、なんとかいい感じに焼き上げることができました。ただ、問題も残りました。そこにある部分にも釉薬をかけたら、暑さが均一にならず、置いたときガタついてしまいました。やはり釉薬をかけないようにするべきでした。今回はグラインダーで削ることにしました。

これに野の花を生けたいと思います。ビビッドなカラーの花が似合いそうです。

2020年7月20日月曜日

歩く巨人

佐野眞一の「歩く巨人」を読み終えた。宮本常一という人を、昭和の時代、僻地をくまなく歩いて、知られることのない人の営みを記録した人、というぐらいの認識しかなかった。ところが、我が人生にも少なからぬ影響をもたらした人だとこの本で教えられた。まず戦後の離島振興法を推し進めたということ。これは師匠でもあった渋沢敬三と二人で、国を動かし、この法律を推し進めたということ。自らも島で生まれて、現在も息子さんがそこで農業を営んでいることから、離島を歩いて、日本の人口の10%が離島に住んでおり、そこの暮らしを押し上げないとこの国の発展は望めないという信念で動いたという話。屋久島に住んで、国からの経済的な出資がいかに島の暮らしにとって欠かせないかということを思い知らされます。もう一つは晩年、武蔵野美術大学で教鞭をとったこと。わが若き日、ちょうど大学受験の時代に縁の深い大学にいたわけで、当然美大志望者として受験し、失敗したとはいえ、その学校を受けたことが思い出されるのです。幸い別の大学に合格して、そちらの生徒になったわけですが、多くの友人が武蔵美に入って、あの学生運動の盛んな時代を過ごしました。今思い出すと受験の不思議さというもので、石膏デッサンの試験で、場所を与えられた瞬間。落ちるなと自覚しました。何故ならば与えられた席はブルータスの真正面の、一番遠い場所で、どう見ても美しさを感じることができませんでした。描き上げたデッサンも散々の出来で、当然一次試験で不合格になりました。ただ、仮に合格していたとしても宮本常一先生の授業を受けていたかというと、おそらくはそういうことにはならなかったと思います。ただ、あの混乱の時代を、友人たちの通う美大で悪戦苦闘していたということに接点を感じたわけです。それに彼は亡くなるまで、農業とは縁を持ち続けました。あとを継いだ息子へ残した言葉があります。「作物は、決して自分の意思通りには成長してくれない。細かな観察と成長を手伝ってやることが農業なのだ」。そしてこの本の締めくくりの言葉。「長い道だ、果てしない道。ずっと昔から歩き、何代も何代も歩き、今も歩き、これからさきもあるいていく。それが人の生きる道だ。前へだけあるいていく道だ。歩く事に後悔したり、歩く事を拒否したり、仲間からはずれても、時は、人生を待ってくれない。時にしたがい、時にはそれをこえていく。そして倒れるまであるく。後からきたものが私たちのあるいた先を力づよくあるいて行けるような道をつくっておこう。」

今朝はヘチマの棚を作りました。その話はまた後日。

2020年7月19日日曜日

朝耕昼陶

この頃の日常は、朝の2,3時間畑で農作業、昼間は陶芸です。去年の暮れから春頃まで、しばらく畑への情熱が消えて、足が遠のいた時期もありましたが、ここへきてなんとかまた復活しました。そんなことで、夏野菜の種まきもだいぶ遅れてしまって、今頃せっせと蒔いています。まあ、今年の長雨はひどかったですから、早く植え付けしていたら、根腐れで皆枯して、それこそ情熱も完全に失っていたかもしれません。テゲテゲだったのが幸いしたのかもしれません。テゲテゲとは鹿児島宮崎方面の方言で、大概大概の音便変化だと思います。こちらには古い言葉が残っています。例えばご飯を食べる茶碗のことをゴーキーというのを聞いたことがあります。これは御器からきていると思います。それにしても、なかなか太陽が顔を出しません。こう雨が続くと気持ちもおかしくなりますし、植物たちも季節感を狂わせてしまうようです。まあ、畑関係の本を読み返すのも、こんな時の楽しみですが。

今日も、片口の口を挽いたり、本を読んだり、体験をやったりと、日常を送って過ごしました。

2020年7月18日土曜日

ホットケーキ皿新作

今回窯出しした中では、割と気に入ってます。以前お客様の要望でこの型を作りました。その時は釉薬は色面と言って、色を大胆に面で分けたのですが、こちらは前からの色釉流しという色を指で飛ばしたり筆につけて垂らしたりという技法になります。

もう一つ、新しいデザインの青い小壷も焼きあがりましたが、そちらは底がグラグラするので、グラインダーで仕上げる必要があります。三島の片口も窯出しましたが、下地の化粧が薄かったので、黒くしたいところが茶色くなってしまいました。まあ、1勝1負け1引き分けといったところでしょうか。ヤクルトスワローズもまた負け始めました。なんとか踏ん張ってもらいたいのですがねえ。

2020年7月17日金曜日

役場

街に出たついでに役場に寄ってみました。用事があったのは観光まちづくり課というところです。現在屋久島ではやくしま満喫商品券というキャンペーンをやっています。2000円払うと5000円分の商品券に替えることができます。滞在期間によっては4000円で10000円分の商品券と交換できます。なんと実に6割引の大サービスです。我が工房も協力店に入れてもらい、何人かのお客様が使ってくれました。

あとは役場の観光まちづくり課に持ってゆくか送るかすると後日代金が振り込まれるという仕組みです。そこで、街に出たついでに役場に持ってゆきました。初めての新庁舎です。入り口を入りますと、案内が出ていて、観光まちづくり課は二階と出ています。ところが階段が見つかりません。どんどん奥に歩いてゆくとはるか突き当たりに階段のようなものが見えます。しかし階段の向こうは突き当たりのようです。とりあえず上がってみると、今度は横に向かって広い部屋があります。歩いている職員さんに聞くと、奥の方を指差します。観光課には職員さんらしい人一人と奥に上役らしい人との二人。どちらも電話中です。困って立っていると、上役らしい人が気がついて奥から人を呼びます。その人に商品券と用紙を渡しますと、どうして良いか分からない様子で、出てきた別の女性の職員さんに尋ねています。用紙に書かれた金額と商品券と金額があっていれば大丈夫ですと言って、確認して終了ということになりました。いやあ、大々的にメディアを使って宣伝している割には、以外ではありますが、あまり役場内でも浸透していない印象でした。まあ、屋久島の観光もまだまだこれからでしょうし、国のゴーツーキャンペーンもどうするかすったもんだしていましから。なんにしても、これからどんどん活気が出てきてくれることを願っております。工房に戻ってくると、留守中に観光まちづくり課の人がきて、大きなのぼり旗を置いて言ったそうです。どうやらこれから本腰を入れようということでしょうか。

2020年7月16日木曜日

水も滴る

昨日、水道の検針係が水漏れを教えてくれました。、まえから気がついていたのですが、恐ろしくて見て見ぬ振りをしていました。ところが、検針のメーターが水漏れを知らせるための表示が回っていると指摘してくれました。もう逃げていられませんから、今朝床下にもぐってみました。そこには水が溜まっていました。這いつくばって漏れているところを探すと風呂場の下とわかりました。一番心配だった、コンクリートの下ではないようです。早速水道屋さんに来てもらって調べてもらうと、どうもコンクリートの壁の裏とのこと。最悪だと暗い顔で言われました。どう対応したら良いかわかりませんがとりあえず、立ち上がっているところで水を止めてもらいました。もう、風呂場に水は来なくなりました。ただ、ボイラーからのお湯だけは出ますから、ボイラーのスイッチを入れなければ水は出ますし、シャワーと風呂桶に貯める湯はなんとか出て来ます。当分はそれでやってみることにしました。もしどうしても不便だったら、改めて方策を練ろうということで。まあ、水漏れが止まったということに感謝しようと思います。そして今日も大雨です。やはり梅雨はまだあけてなかったようです。なんとなく気持ちが削がれて、制作意欲がいまいち盛り上がりません。そこで苦しいときのなんとやらで、好きな片口の水挽きをしました。

これから、そうめんのつゆや、焼酎の水割りに必要な季節になりますから。そんなわけで今日は水も滴る良い、いや水まみれ泥まみれの一日となりました。!!!涙。

2020年7月15日水曜日

花形三島皿

最近カップルで体験に来て、一人がろくろもう一人が手びねりというのが多くなりました。昨日のカップルもそうでした。旦那がろくろで奥さんが手びねりでした。二人とも作ったのはお皿でした。奥さんの方は手びねりらしい、花の形。最後に模様をつけたいというので、三島用の印鑑を貸してあげました。そして出来上がったのがこちら。

なかなかの力作です。旦那さんの方のろくろの皿は広げすぎて危なかったのですが、なんとか持ってくれました。体験が終わってしばらくして、ばさっと壊れるなんてこともたまには起きるので心配でしたが。少しずつですが日常が戻ってくるようです。

2020年7月14日火曜日

釉薬仕事

まずは釉薬作りです。白と黒を作りました。ベースは同じですが、酸化金属を加えると黒になります。鉄とコバルトとマンガンです。白にも少しだけ鉄を加えます。そうすると、落ち着いた白になります。白の釉薬をベースに色の釉薬を流しがけしたら、色釉流しという技法です。

我が工房の代表的な作品ができます。ちょっとしゃれたレストランで盛り付けた後にソースを流しがけしますが、このお皿は初めからソースのような柄が入ってますから、ただ盛っただけでもおしゃれなフレンチの盛り付けができます。

2020年7月13日月曜日

赤化粧

なんということでしょう。とうとうヤクルトが首位に立ってしまいました。去年の四月以来四百数十日ぶりだとか。てことは去年も一回は首位に立ったのですね。あとはまた奈落の底なんてことにならないと良いのですが。まっ、良いか、今年も一度は首位の味を味わったのだから。欲を張るのはやめましょう。ところで赤化粧がけです。変な形に作って、上は黒、下か赤の化粧をかけたのですが、置くところまで考えてませんでした。化粧をかけてから、やべえ!、とウロウロ、苦肉の策でいろいろなものに裏返して立てかけました。

ところが丸い方はどうしようもなくそのまま転がすことにしました。あとでなんとか修正しようと思います。やはり仕事は最後まで計画立ててやらないとこういうことになるのです。

2020年7月12日日曜日

野良ばえ

どうやら梅雨明けが見えてきたようです。工房から見える破沙岳の頂上がくっきり見えるようになって一日中青空が広がっています。そうなるとビニールハウスの温度がどんどん上昇して、暑さ対策に頭を悩めます。今朝、タネを蒔いた野菜に水を蒔いていて、ふと目に入ったのですが、休憩用に置いてあるプラスティックの椅子に何やらもやしのようなものが生えていました。よく見ると、濡れた新聞紙の上で芽が出ているのです。前に畑で育てたオクラの種が長雨で濡れて芽を出しているのです。タネにしようと枯らした後、運んできたところまでは憶えているのですが、どうせダメだろうと放っておいたものでした。

そこで、なんとかものにならないかと、ポットに培養土を入れて移植してみました。先日、別のオクラの種を直播したのですが、長雨で芽が出ませんでした。トウモロコシもダメ。ただ枝豆だけはたくさん育っています。もしポットのオクラが上手く育ってくれたら、今年もオクラの豊作が見込めます。去年も遅く蒔いて、秋から冬にかけてオクラを食べることになりました。他にも畑には里芋とサツマイモが収穫し忘れた種芋からあっちこっちで育っています。まさに野良ばえの畑です。今年は耕運機も入れてませんし、余計落ち種からの野良育ちが出てきそうです。そうそう、春にたくさん植えたのらぼう菜もほとんどタネになって勝手に畑に落ちています。上手くゆけば野良坊の野良ばえが見えそうな気がします。

2020年7月11日土曜日

一人で

一人で出来ちゃいました。カード払いの手続きです。これまでは、お客さんがカードを出すと、息子に代わってもらって、手続きをしてもらっていました。今日は工房は一人、とりあえず朝カードリーダーの電源を入れて、タブレットも充電を確認して、プリンターも電源をオンにしておきました。昼過ぎになって、近所の人が買い物に来てくれました。そして、カードが使えるようになったのですねえと言われました。「私、最近ほとんど現金使ってません」という話。それではカードで払いますかということになりました。顔見知りですし、もしダメだったら息子を呼ぶか、お客さんに手伝ってもらおうと思って、やってみることにしました。彼女は、銀行に勤めている人ですから、なんとかなるだろうと気持ちも楽だったのです。

まずタブレットのスイッチの位置がわかりません。やっと見つけて、次はカードリーダーのスイッチ、こちらはお客さんが教えてくれました。暗証番号を入力して、カード決済を押して、それから金額を入力、次はカードを差してもらって、暗証番号を入れてもらって、決済へ進むを押す。後はしばらく待っていると、決済終了が点いてプリンターから金額が印刷されて出てきました。なんとか一人でやり終えることが出来ました。ちょっとお客さんにも手伝ってもらいましたが。全て終わって、お客さんも、すごいですねの感嘆の言葉。こちらも思わず、本当にすごいと、心の底から漏れてしまいました。世の中、どんどん進んでいるのですねえ。

2020年7月10日金曜日

エプロン

一体何日ぶりでしょうか。おそらく三週間ぐらいお日様の顔を拝んでませんでした。ほんの少し顔を出してくれました。奄美ではそろそろ晴れ間が広がってきたようですから、ここもそう先のことではないと思います。もう、ノアの箱舟状態でしたから。そんなわけで洗濯機を回しました。まずはエプロンです。

ボツボツ、体験が復活して、汚れたエプロンは工房で洗っています。仮にコロナの菌がついても、絶対に家には持ち込むわけにはゆきませんから。家には基礎疾患を持った子がいます。前にも、肺炎で死にかかったことがありましたので。それと、たまったマスクも洗濯しました。こちらは自作の布製です。少しずつ人が動き出した、お客さんもごくたまにですが、寄ってくれるようになりました。この先政府のゴーツーキャンペーンというのも始まるようです。コロナは怖いですが、人が動いてくれませんと、生活が成り立ちません。なんとか、注意しながら、新しい日常を作ってゆきたいと思います。

2020年7月9日木曜日

耳つけ

まだ柔らかくて、本当は削れる状態じゃあないのですが、待ちきれず削ってしまいました。そのせいで、肌は指跡でベタベタです。もう四日目だというのにねえ。本当に今年の梅雨は、特別しつっこいと思います。もういい加減にして欲しいところです。どこまで、被害を出したら気がすむのでしょうか。まあ、歴史の本を読みますと、何年も、天候不順が続いて、神様にお願いしたり、人身御供を出したりしたとか、出てきますが、今年はまさにそんな年なのですかねえ。踏んだり蹴ったりです。ただでさえコロナに振り回されているところに。閑話休題。削りを終えた花入に耳をつけてみました。

ちょっとした遊びですが。こんな時ですから、色々遊んでみようと思っています。

2020年7月8日水曜日

捨てる神ありゃ

ちょっと違うかもしれませんが、ことわざで、「捨てる神ありゃ拾う神あり」と言いますが、そんな感じです。昨日キャンセルになった体験ですが、今日は急に当日予約が入りまして、帳尻が合ってしまいました。面白いものですねえ、世の中って。だから、ぼやいても仕方ないのでしょう。前向きが何より。雨は相変わらず今日も強くて、一昨日挽いたのが、全く乾く気配がありません。そこで今日も小壷、三日目です。

こういう袋物は、(袋物とは口が閉じていて胴体が膨らんだものという意味ですが)、時間がかかるので、こんな時にはうってつけの仕事です。どんな色で仕上げようか色々考えながら作ります。ただ、口が閉じていると余計乾きにくくて、ますます置き場がなくなってきました。

2020年7月7日火曜日

ぼやき

鬱陶しい。湿度がものすごいのです。昨日挽いた一輪挿しが全く乾きません。むしろ柔らかくなった気がします。おまけに何かの虫が這ったようで、なめらかに仕上げた口が、ガサガサになっています。おそらくヤスデの仕業でしょう。そこで、今日も一輪挿しを挽きました。形を変えて。

明日珍しく観光客らしい人から体験の予約が入っていましたが、キャンセルになりました。「鹿児島に行けなくなって」とのこと。コロナ禍でしょうか。クラスターで大変なことになってしまい、全国ネットで流れてますから。それとも豪雨禍でしょうか。こちらも九州全体で大変な被害が広がっていますし。何にしましても、ようやくこれからという時に、また大変なことになってしまいました。去年もひどかったのにねえ。息子が朝から何処かにでかけて、後から訊くと、期日前投票に行ってきたとのことです。カミさんももう済ませたようですし、残っているのは一人だけです。早く済ませてしまいたい気持ちはよくわかりますが。なんせ、6人の立候補者で、政策を比べてみると、皆あまり代わり映えしないことばかり書かれています。早い話、争点が見つからないのです。ただ、いろいろな思惑がらみでこんなことになってしまったようです。特にいやらしいのが、地元のメディアのやり方です。現職のあら探しばかりやって、なんとか引き摺り下ろそうという魂胆が見え見えです。だから不信感から、意固地になっているように見えます。まあ、そこに隙を見つけてこんなにに大勢が立候補したのでしょうね。だから余計、早いところ投票を済ませてしまいたいと思うようになるのでしょう。結果、誰が当選しても、良い気持ちにはなれそうもありません。あーあ、もうこんなにぼやいてしまいました。これも、この鬱陶しさのせいでしょうか。

2020年7月6日月曜日

鶴首

昨日は久しぶりに体験3人。手びねりなので、ゆっくり6時まで楽しんでくれました。今日は、何を作ろうかなあと迷いました。実は大抵揃っているのです。定番のフリーカップは50個素焼きが終わっています。豆皿はと見ると100個あります。丸カップはと聞くと、たくさんあると言われました。何作ろうか、相談したら、時間がかかるものが良いのじゃないとのこと。そこで鶴首のミニ花瓶にしました。最初はあまり気乗りしなかったのですが、やりだすと面白くなって夢中になりました。首の太さ胴の膨らみ、口作り、ほんのちょっとしたことで雰囲気が変わります。

昔個展をやっていた頃は花入や壺がメインでした。今はお土産品が主ですから、手のひらに入るぐらいの小さなものばかり作っていますが、小さくても形に変わりはありません。やはり魅力のある器にするためには、神経を集中しないと、上手く行かないようです。

2020年7月4日土曜日

水害

昨日の雨が北上したわけではないと思いますが、熊本鹿児島が大変なことになっています。特に球磨川が氾濫した人吉辺は被害が心配されます。昔読んだ本で、野呂邦暢という人が書いた「草のつるぎ」という作品の中で、諫早で起きた川の氾濫の話があります。その時の死者行方不明者は千人を超えたと言います。彼の実家も洪水で全壊しました。当時自衛隊に入隊していた野呂は、特別の許可を得て災害の現場に帰ってゆきます。その時の模様が描かれていて、胸を打った記憶があります。今日も、水没した町の様子や救助を求める人たちをニュースで見て胸が痛みます。野呂という作家のことをあまり知らなかったのですが、昔読んだ、沢木耕太郎の「バーボンストリート」というエッセイで知りました。

その話のタイトルは「ぼくも散歩と古本がすき」というもので、若い日の野呂がよく通った古本屋との交情が綴られていました。お金のなかった野呂が平積みの安い価格の本を何冊か求める時、いつも値切って、いくばくかの値引きをしてもらっていたそうです。ある時。店主の虫の居所が悪かったようで、いつものように値切ってくる野呂にもの凄い怒り方をして、それ以後足が遠のいてしまったそうです。ところが彼が東京での暮らしにみきりをつけて、国に帰る決心をした時、前からどうしても欲しかったブールデルの彫刻作品集を買う決心をしたそうです。彼が退職金を握ってその本を差し出した時、店主が、国に帰るということを知って、千五百円のうち千円だけを受け取って後はどうしても受け取らなかったというのです。6000円の月給の時代の話です。彼はその話を何度もエッセイの中で書いているそうです。そんな彼が自衛隊時代の思い出を綴った「草のつるぎ」で芥川賞を取ったのが1973年のことでした。その頃、こちらは美術大学を中途でやめて屋久島へ来て陶芸という新たな世界に足を踏み入れました。ただそれだけの話ですが野呂も若い頃絵や彫刻が好きで、当時美術館で開かれたブールデルの展覧会に行きたかったのですが、お金がなくて諦めたそうです。もしかしたら、絵の道を諦めて小説家になったのかもしれません。人の運命の不思議さを感じます。今回の水害の被害が大きくならないことを願わずにはいられません。

2020年7月3日金曜日

旅する巨人

次に何を読もうかとあれこれ迷ったのですが。結局また佐野眞一さんの本を読むことにしました。本当は「阿片王」というのが読みたかったのですが全て絶版になっていて当然キンドル版も出てません。そこで、去年キンドル版で出たばかりの「旅する巨人」宮本常一と渋沢敬三という本をダウンロードして読むことにしました。宮本常一さんといえば「忘れられた日本人」という名著があります。

民俗学で日本を代表する人ですが、パトロンであった渋沢敬三との交流と生涯を描いたドキュメンタリーとのことです。宮本さんは十数年の間に16万キロ日本中を歩いて各地で伝承を聞き取ったというまさに巨人というのにふさわしい人です。その距離は地球を4回回る距離とのことです。当然この屋久島にも足を運び、その時の記録も残っています。渋沢敬三さんは来年のNHKの大河ドラマである「青天を衝け」のモデル澁澤栄一の孫にあたる人物とのことです。ちなみに渋沢栄一は次の一万円札にも使われることになっているようです。そして、佐野眞一さんには「渋沢家三代」という著書もあって、この旅する巨人の姉妹編でもあるそうです。この本が面白かったらそちらも読んでみたいと思います。ところで、話変わりまして、今日の雨、特に午前中の豪雨にはびっくりしました。まるで、ドラム缶をひっくり返したような凄まじい勢いで、溺れそうな気分になりました。梅雨末期には毎年、必ずこういう大雨が降るものですが、どうしても慣れることができませんし恐怖すら感じてしまいます。

2020年7月2日木曜日

甘粕

佐野眞一さんの「甘粕正彦」を読み終える。読み始めたのが光回線の工事前だったからちょうど一ヶ月前だった。昼休みと休憩時間に読み継いできた。本当に面白くて、最後まで、ワクワクし続けた。ドキュメントがいかに人の繋がりによって受け継がれるかという事実を突きつけられた気がする。あとがきにこんな言葉がありました。「歴史には、事件現場に残された犯人の指紋のように、一度ついたら二度と消えない不可逆性がべっとりと張り付いている。」甘粕正彦の大杉栄殺害という汚名を85年後に佐野眞一という男が、この本でそそいだわけでした。そして、この本が出されてから12年経って、現在彼は橋下徹に名誉毀損という汚名を着せられ、メディアから姿を消すという皮肉な状況にいるのも、これまた歴史の不可逆性なのでしょうか。

しかし、彼がこの本を書いたということもまた、動かすことのできない歴史な訳で、これから、現在73歳という年齢の中で、何をなしてゆくのか、ここもまた注視していきたいと思っています。

2020年7月1日水曜日

朝雷

「朝雷は晴れる」という言葉はこの地域で伝えられているのですが、今朝方、雷鳴に縮み上がったのが嘘のように午後から晴れ間が広がりました。昨日の夕方の雷も近くて、工房の電源を引き抜いて、早めに上がりました。ちょうど前線が通過して、また南の海上に下がってしまいました。ということはあれがまた上がる時に大雨になるのでしょう。昨日、今日と二日、六寸と七寸の皿を合わせて50枚挽きました。

蹴ろくろですから、結構頑張ったと思います。今日の午後になって。少し乾いてきましたが、それまでは全く乾燥が進まず、もう工房には置くところがなくなってしまいました。それに、夜中になるとヤスデが大量にやってきて、濡れた器の脇が大好きで、朝になるとあっちこっち張り付いていて、ちょっとトラウマになりそうです。だからと言って、もう他に置くところもないし、明日の朝が思いやられます。ちょっと張り切って作りすぎたようで、明日からの削り頑張らないと、今度は乾きすぎて削れなくなりそうです。なかなか仕事は思い通りにはゆかないものです。