2024年4月29日月曜日

また仏像

 まさか全て取れるとは思いませんでした。結構複雑な形ですから、どこかに少しでも空気が入っていたら即破裂してしまいます。今回七、八個焼きましたからいくつかは壊れる覚悟でした。それが何ということでしょう。パーフェクトでした。そこで本焼きの準備。まずは素焼きした生地に掛ける化粧土。それもいくつかの種類を掛け分けようという事。素焼きしたところに化粧を掛けるのがなかなか難しいのです。一度ざぶりと水につけて吸水する前に次の化粧土を掛ける。タイミングを見ながらまた次の、そしてもう一つ別の種類と繰り返します。どうしても複雑な配色にしないと深みが出ません。古い仏像はいい感じに表面の色が剥げて時代を感じさせてくれます。その奥深さをどうしたら出すことが出来るか。この仕事も果てしなく遠い道のりです。生涯かけて満足のゆくものにたどり着くことが出来るか。進み続けるしかありません。

2024年4月28日日曜日

仏像

 ちょっと前に造った仏像の素焼きをはじめました。危険温度は三百度のちょっと手前と六百度のちょっと前です。大きなものを造ったので、心配しましたが今のところ窯の中で破裂する音は聞こえてきません。しかしお客さんで離れたときもありましたし、聞き逃すという事もあります。ですから油断はできません。以前庭のオブジェを焼いたときはかなりの数が粉々に破裂しましたので。素焼きが無事でも本焼きで壊れるという事も起こります。本焼きすると重さで変形という事も考えられます。小さなものだと、被害はそれほどでもないと思いますが、過去最大の仏像。何とか無事に焼き上がるようにと祈るような気持ちです。

2024年4月27日土曜日

ゴールデンウィーク

 今日が初日の様ですねえ。最長十日だとか。お客さんを迎える側のわが工房は、いたって平穏です。平日よりもひっそりと静まり返っております。この調子で十日が過ぎるのでしょうか。まあ、世の中は明日の事すら読めないものですし。だって、今年に元旦にまさかあのような地震が起きたり、航空機の事故だったり、まさに一寸先は闇です。だから、いつ何があっても慌てないように、備えあれば患いなしという言葉通り、淡々と日々を送ってゆきたいものです。

2024年4月26日金曜日

野バラ

 ピンクの野ばらが次々と咲きだしました。不思議なのが一株ごとに少しずつ違っていることです。小ぶりなの。薄いピンク色の。咲き始める日も微妙にずれます。最初の一本から実生で増えたものばかりです。だから、交配するミツバチさんの種類だったりどの株との交配かだったりと変わるのでしょうか。自然のいたずらで二つと同じのがいないようです。人間だって親子であったり兄弟であったりでも全く同じ顔の人はいませんから。クローンならば同じになるのでしょうが。そして挿し木で増やすと同じ花が咲くのでしょうが。

2024年4月25日木曜日

棚卸

 今日は出かけました。二件のお土産屋さんに、棚卸です。一件目はほとんど売れてませんでした。ちょっと前に納品したばかりなので。棚がガラガラなので納品してほしいという連絡が入ったのです。連休前なのでお客さんも少ないのかなと思いました。ところがもう一軒では逆に棚がスカスカ。不思議です、前の棚卸ではほとんど売れてなかったお店がまるで逆です。これで思いついたのはは縁という言葉。縁は異なもの味なものといいますが、出会いとは面白いと思います。最近工房ではなぜかお面が人気です。何年も埃をかぶていたお面がここにきて急に人目を惹くようになりました。流れが変わったというのか、どういうわけであのお面を欲しがる人が増えたのか。正直全く分かりません。ただ一つ言えることは自分が楽しんで作るという事。作者の思いがいつか誰かに伝わるのだという事なのでしょう。

2024年4月24日水曜日

マンズー

 ジャコモ マンズーという彫刻家がおりました。大好きな方で、イタリア人。まだ若い頃、美大の入学式で、彫刻科の主任教授だった佐藤忠良という方がおられました。面白い人で入学式での言葉が印象的でした。「ヤギが子供を産んだので可愛がってください」。それだけでした。私が入った絵画科は抽象絵画に少し寄っていましたが、彫刻科はがりがりの具象彫刻。それを引っ張っていたのが佐藤さんでした。その佐藤さんが影響を受けただろう作家がマンズーだと思います。最近古い作品集を取り出してよく見ているのですが、デッサンはあまり上手ではないと思います。しかし、どこか強く惹かれるところがあって、何かなあと思っていたのですが、一つ気が付いたことがあります。それは忠良さんにも通じると思うのですが下手ゆえのひたむきさ。必死に食らいつこうという姿勢ではないかと思うのです。それとディティールへの追及。細部に神は宿るという言葉がありますがお二人に共通する目。それは皮膚感覚のようなしつこさにあるように思えてなりません。

2024年4月23日火曜日

雨の季節

 今日の予報。一日中雨。しかし、それほどの大雨にもなりませんでした。屋久島の天気は所によって変化が激しいので他の地域ではどんな感じか分かりませんが。それでも雨が続いて草がどんどん伸びています。庭仕事からずっと離れて、我が庭の荒れ方を横眼で眺めるのみ。ただ野バラは今年は花が沢山。ずいぶん思い切って剪定したので。それにすべての株を誘引したり、手作りのオブジェを置いたりと少しは庭らしくなったと思ったのですが。それも草に覆われてただの荒れ庭に戻ってしまいました。今は本職に励まなければとじっと我慢の子です。おかげさまで作品の方は着々とそろい始めております。

2024年4月22日月曜日

白紙

 今日から新しい週が始まりました。けれど、相変わらず仕事に追われています。連休が近づいているのに作品がありません。せっせと造っているつもりですが、なぜか追いつけません。先日ここでお知らせいたしました、個展は白紙に戻りました。それに向けて色々新作にも手を付けていたのですが。物事というものは進むときには風に乗って進むものです。今回の流れはどうやら違っていたようです。しかし仕事は相変わらず忙しく、いくつかのホテルからあれこれと話が持ち上がっています。何が、本当の流れになるかは分かりませんが、見極めて風をつかみたいと思っています。

2024年4月21日日曜日

困難

 作業には困難はつきものですが、先週は多すぎました。あげたら限がないほどです。だからやめます。良い話をすこし、庭にコバノズイナが咲いています。ずいぶん増えました。ひこばえで増えて今は二十本ほど。それが一斉に花を着けてくれました。工房にはヒメヒオウギ。こちらも増えに増えて数えきれません。クレマチスはそろそろ咲き終わりそう。これからの季節庭の花が次から次へと咲いてくれます。水道が止まって水源地へ上がりましたが一緒に行った息子にヒルが張り付いて大騒ぎ。工房の裏にはスズメバチが二つの巣を作っていました。軽トラに、虻が飛び込んで来たり、蚊が血を吸うために襲い掛かって来たり。花も咲きますが様々な虫たちも襲い掛かってきます。これから自然との生存競争が始まります。

2024年4月20日土曜日

マスク

 最近よくマスクが出ます。出るというのは工房の壁に飾っているお面を海外からのお客様が買っていってくれるという意味です。ずいぶん昔造って、倉庫に眠っていたものを日の目を見させてあげたいと工房に並べてみたものです。アフリカンのお面が好きで、その影響からいくつか作ったものです。釉薬は掛けず化粧土を塗ってプリミティブな雰囲気に仕上げました。息子に言わせるとちょっと不気味。ですが、意外にも外国からのお客さんには受けが良いようです。かなり巨大なシリーズもありますが、そちらも興味を持ってくれます。お面は日本でも古い伝統があります。天狗や鬼、それに能面もありますが。これまで長い間造ってきた七福神も去年で終わってしまいました。そこでマスク。仏像に続いて少し追及してゆこうと思います。

2024年4月19日金曜日

釉薬

 釉薬づくり。使えば減ってきますから、作り足さなければなりません。その都度ほんのちょっとだけ配合を変えてみます。それによって、この材料を加えるととけが良くなるとか、釉薬が流れにくくなるとか類推するわけです。一気に変えると変化が激しくなってしまうのでわからない程度にです。実証主義といっても良いのかもしれません。おそらくウナギ屋さんのたれとか、お漬物のぬか床とか、長い年月受け継がれてきたようなものも同じような方法で作り足してきたのでしょう。それが実証主義。親方の教えというようなものにも通じるかもしれません。わが工房のようにほぼ自己流でやってきたようなところは、これから本当の意味での俺流が出来上がってくるのかもしれません。

2024年4月18日木曜日

夏が

 どんどん進んでいます。季節が。もう夏。庭に咲く花も蕾から花開いて、グラジオラスにバラクレマチス、工房の前ではヒメヒオウギと咲き乱れています。雨も多くなって草も勢いづいてきました。相変わらず仕事に追われて、庭は後回し。せめて草払いをはじめないと追いつかなくなりそうです。

2024年4月17日水曜日

頭痛

 この前まであった片頭痛が移動して反対側に移ってきました。確か左脳と右脳では記憶の種類が違うというようなことを聞いた気がするのですが、頭痛はどういう違いがあるのでしょうか。おそらく説明できる人はきっといるのでしょうが。前のは肩こりから来ていたと思うのですが、今度のは何が原因でしょうか、寝不足だったり疲れだったり。息子は病院へ行ったらというのですが。脳波をとったりスキャナーで調べたり。本人は放っておけばそのうちよくなるだろうと軽く考えています。まあ、特別心配事があるわけでもないので気楽に過ごすのが一番だろうとおもっています。

2024年4月16日火曜日

 まるで夏のよう。蚊もぶんぶん。汗がじわー。移り変わりの早い事。めぐる季節の。家の前では野ばらが咲き始めました。ピンクの野ばら。咲き始めが好きです。色が濃くて、あでやかで。今年はおびただしい蕾。剪定をしっかりやったので。工房の前ではクレマチスの紫。ヒメヒオウギも咲き乱れています。世の中、きな臭いですが季節は確実に前へと進んでいるようです。

2024年4月15日月曜日

一期一会

 面白いですねえ。生きているといろいろなことがあります。今日は変なユーが来ました。カップルです。突然棚の上からいろいろなものを引っ張り出して台に並べ始めたのです。大昔に作ったものから壁に取り付けていたお面まで。どれほどいたでしょうか軽く二時間は越えていた気がします。そしてこれ全部ほしいとの事。いったいどこから来たのかと、たずねるとパリとの事。出身はイタリアとか。明日取りに来るから、壊れないように包んでほしいとの事でした。あの沢山の器やオブジェがはるばるとパリに行くのかと思うと不思議な気持ちになります。面白いですねえ。初対面の人と作品を通して交流できるなんて。まさか、こんな日になるなんて、思ってもいませんでした。

2024年4月14日日曜日

休養

 英気を養う。早い話ぼーっと過ごしました。とは言うものの土練機を回して土づくりはしましたが。後はのんびり。お客さんもなかったし。おかげ様でだいぶ疲れも取れました。体調もだいぶ良くなりましたし。来週からはガンガンやれそうです。ありがとうございました。

2024年4月13日土曜日

前へ

 少しずつ、前進すべく足を動かしております。午後は体験一組。お母さんとお子さんの二人連れ。その間にアメリカからのカップル。午前中にはぐい呑みを気に入ってくれた人がまとめて買ってくれました。一生懸命作っていれば、認めてくれる人はいるものです。だから、信じる道を精一杯進んでゆきたいと思います。

2024年4月12日金曜日

禍福

 人間万事塞翁が馬とか禍福は糾える縄のごとしとか、世間ではよく言われます。良い事と良くないことは繰り返しておとずれるものだという事。好事魔多しとも言いますが。そんな時は、じっと頭を低くして耐えたり、きっと次は良い事もあるはずと希望を持ったり、日々を淡々と過ごしてゆきたいと思うのです。

2024年4月11日木曜日

ろくろ体験

 午後は二組。そのうち一人は海外の方。コミュニケーションが取れず歯がゆい思いでした。最後はどうしてもうまくゆかずに器が崩れてしまいました。無力感。やりすぎても良くないと思い、途中からあきらめてしまいました。案の定、失敗。何度修正しても同じ状態にあっという間に戻ってしまいます。微妙なニュアンスが伝わればもう少し違った結果になったのではと、反省しております

2024年4月10日水曜日

切れ

 体の切れがだいぶ戻ってきました。朝からやることが沢山でしたが。仕事以外に次男の世話まで。カミさんが留守でしたので。陶芸の体験の撮影なども加わって。バタバタと過ごしました。忙しいという事は幸せだと思います。春ですし。これから、ちょっとずつ人も動き出すでしょうから。健康第一でゆきましょう。

2024年4月9日火曜日

インド

 今から25年ほど前でしょうか。初めての海外がインドでした。いきなりインドとは。昨日お釈迦様の事を思ったことからの連想です。訪れたところはバラナシ。あの頃はベナレスと呼んでいました。ガンジス川のほとり。沐浴で有名な街です。それと初めて悟りを開いたというサルナートというところ。ある朝ラジオ放送でバラナシの朝に音が流れてきました。それを聞いたとき無性に行きたくなってしまったのです。街をさまよっていると人々の営みに紛れて、ああ、生きるとはこういう事かと思ったものでした。仏教には子供のころから接していました。母が熱心な日蓮系の宗教の信者でした。そこで子供のころから信者の集まりや法華経の読誦をして育ちました。物心ついたころ、宮沢賢治の作品に出合い、彼が熱心な日蓮系の信仰の実践者と知りました。彼の宇宙的な宗教観と地学的な実践に影響を受けて、土と日々向かう中でただ器を作るだけでなくもう一つ深いところの表現が出来ないものか。無機的な土が人の手に触れると生き物のように変化する不思議。いつの間にか取りつかれてしまったようです。気が付けば土に振り回される毎日を送っています。

2024年4月8日月曜日

おはなまつり

 四月八日はお花まつりです。お釈迦様のお生まれになった日。何故かクリスマスは盛大に祝うのに忘れられえているようです。なぜ覚えているかというとわが次男の誕生日だから。今から三十数年前、桜が満開でした。予定よりだいぶ早く生まれて、おまけに生きるか死ぬかで。東京で出産したのですが、すぐに来いという連絡。大急ぎで駆け付けると父親の承諾がないと転院できないとの事。そして日赤の未熟児治療室へ。担当の医師から染色体の異常を告げられました。それから毎日の通院が始まりました。世間はお花見で楽しそう。それをつらい気持ちで見ていたことを今でも思い出します。あれから三十年余り、やがて四十年が近づいてきます。奇跡的に今も一緒に暮らすことが出来る有難さ。今朝、あの子のためにケーキを焼きました。もう何十回焼いたことやら。こっちの方が歳をとって、だいぶ怪しくなってしまいましたが。あの子の世話をし続けるためにも、何とか負けないようにと思っています。

2024年4月7日日曜日

桜花賞

今日は桜花賞レースがありました。久々の満開の桜の下でした。最近はずっと、葉桜の下でのレースが続いていましたので。やはり違いますねえ胸がジーンとします。日本人にとって桜には特別な思いがあるようです。最近よく口ずさむ同期の桜。「貴様と俺とは同期の桜。咲いた花なら散るのは覚悟。見事散りましょう国の為」。桜の下には死体が埋まっているといったのは安吾でしたか。確かに華やかなイメージと、もの悲しさが背中合わせ。ところで桜花賞。八十四回とか。先日工房を訪れた方、八十四歳という事でした。ご近所に十年ほど前から引っ越してきたとの事でした。終戦の五年ほど前に生まれた人、こっちが終戦の五年ほど後ですから十歳先輩になります。その年代の人にあまり出会ったことがありませんでした。ちょっと先輩ですが見てきた世界は全く別のものだったのだろうと想像すると、不思議な気持ちがしてなりません。

2024年4月4日木曜日

 季節がやってきました。蚊に悩まされる。もう、夕方のしつこい事。蚊取り線香を買いに行かないと仕事になりません。特にろくろ作業は。手で追ってもすぐに顔の周りを旋回して、隙を見せると襲ってきます。この戦い何十年続けているのでしょう。おそらく死ぬまで続きます。若い頃は蚊が差しても放っておいて、口でフウット吹き飛ばしてあまり気にしなかったのですが、最近はすごく気になって、集中できなくなりました。蚊はまだしも、もうしばらくすると虻が飛んできます。あの緑の目を思い出すと身の毛がよだちます。あれに刺されてお亡くなりになった人もいたとの事です。おそらく心臓発作でしょうか。そんな季節がまたもどってきました。

2024年4月3日水曜日

体験

 四月は春休みで陶芸の体験が多いのです。今日の小さなお子さん連れ。二人がかりでお相手しました。歯が良くないので大きな声を出すと、なかなか疲れます。しごとですからそんなこと言ってはおられませんが。開始時間が遅かったので、終わったのが六時半。今日も良く働きました。

2024年4月2日火曜日

体調

少しずつですがよくなっている気がします。今日も一日仕事が出来ました。午前中は削り。午後、ろくろ作業です。先日頼まれてソバ猪口を作りました。あまり上手くできませんでしたが。ホテルで使いたいとの事で、厚すぎても重そうですし、薄く挽くと欠けやすくなります。その辺の兼ね合いが難しく悩みながら作ると、敏感なものですねえ。どこか器に元気がないような。無理して元気を装ってもよくないですし、ありのまま、丁寧にを心掛けました。明日は今日よりも半歩でも前に進みたいものです。 

2024年4月1日月曜日

暖春

 暖かくなりました。春ですねえ。とは言うものの、体調はなかなか戻りません。昨日の夜中についに漢方の練薬を幹部に張りました。おかげ様でだいぶ良くなってきましたが。なかなか、こじらせてしまうと劇的回復とはなりません。歯って気を付けないと。少しずつでも良い方向へ向かってほしいと願っています。