釉薬づくり。使えば減ってきますから、作り足さなければなりません。その都度ほんのちょっとだけ配合を変えてみます。それによって、この材料を加えるととけが良くなるとか、釉薬が流れにくくなるとか類推するわけです。一気に変えると変化が激しくなってしまうのでわからない程度にです。実証主義といっても良いのかもしれません。おそらくウナギ屋さんのたれとか、お漬物のぬか床とか、長い年月受け継がれてきたようなものも同じような方法で作り足してきたのでしょう。それが実証主義。親方の教えというようなものにも通じるかもしれません。わが工房のようにほぼ自己流でやってきたようなところは、これから本当の意味での俺流が出来上がってくるのかもしれません。