春のような陽気です。日向に出ると、むわっとします。蚊が出てきそうなほど。着ていたジャケットもエプロンも脱ぎ捨てました。おまけに釉薬掛け。久しぶりに蝋抜きです。ガスの火で蝋を湯煎します。この作業は夏にはしたくありません。今日のような暖かい日にも。少なくなった釉薬を作り足したり釉抜きしたり、長年の経験の生かしどころ。陶芸という仕事も知見の積み重ねが必要です。うまくゆかなくなったときどうやって乗り越えてゆくか。今回も新しい試みを加えています。前回窯で本焼きした後、なぜか化粧が剝れてしまいました。それも器の内側に限って。そこで今回は内側だけ釉薬で発色する作戦。本来ならば白化粧を掛ける代わりにです。うまくゆくかどうか。失敗しないための工夫です。先日、月の探査機の記者発表を見ていて思いました。うまくゆかなかったとき二の矢、三の矢を用意しておくことの大切さを。陶芸においても同じだなあと。最低限の対処をしておくことの大切さを改めて学習しました。
2024年1月31日水曜日
2024年1月30日火曜日
ぐい呑み
昨日からぐい吞みを造り始めました。気が付けば工房の棚にはあまり残ってません。最近は歳のせいかだんだん小さくなっています。若い頃は湯呑のようなグイ呑みを挽いていたのですが。実は酒が強い方ではないという事を最近自覚しました。若い頃の失敗の多くは酔っぱらっての過ち。呑んでいるうちに意識が飛んでしまい、気が付くと暴れていたというような。恥ずかしい事ばかり。最近は焼酎はあまり吞むこともなくどちらかというと清酒が多くなりました。アルコール度数が結構少なめですから。そんなわけで今日も一日、ぐい呑みと格闘。小ぶりでも存在感があるものを目指して。青い釉薬で表現したいと思っています。
2024年1月29日月曜日
月
今朝の月。丸いくっきりとしたお月様が西の空に輝いていました。ちょっと前まで近くにいた金星は空の反対側です。だから余計に金星が輝いて見えました。明けの明星。そしてあの月のどこかに着陸しているのでしょう、探査機が。そういえば太陽光バッテリーが復活したようです。すごいですねえ。ひっくり返った機体でいったいどうやって充電するのか。科学の力には驚かされることばかり。陶芸も実は科学です。熱化学。今から16500年も前から縄文土器が焼かれていたなんて。人間とはなんという生き物でしょうか。昨日まで作っていた小さい壷は縄文土器からインスパイアーされたものです。何とか現代の縄文土器が造れないものかと。屋久島には縄文杉と呼ばれる古い樹が生きているのです。人間が何度生まれ変わればそれほど生きることが出来るのか。命とは不思議なものです。
2024年1月28日日曜日
トレリス
庭のあっちこっちに植えていた、バラがだいぶ大きくなりました。ほとんどがツルバラらしく中にはピンクの野ばらもいて、勝手にどんどん増えています。これまではほとんど手入れもしてませんでしたが、あまりも繁茂しすぎた枝を最近せっせと剪定しています。ネットの動画を見ると何かで支えてあげないとちゃんと育たないとの事。そこでいろいろな庭にはおしゃれなトレリスというものに絡ませています。どこかで売ってないかと調べたところ思った以上に高価。それに離島に送ってくれるところも少ないようです。それでは自分で作れないかと考えました。先日簡単な休憩所を造ろうと材木を購入したのですがそれを使えないかと現在考え始めています。雨の多い屋久島ですから塗装してあげないとすぐに腐ってしまいそう。あれこれと思案を巡らせています。今日も昨日の続きで小壷を作っています。三日目ですからだいぶ慣れては来ましたが、思ったようにできるようになると急に情熱が覚めてきました。実は昨夜布団の中で次に作るもののアイデアは生まれたのですが今日はすでにタイムオーバー。来週の楽しみにとっておくことにします。
2024年1月27日土曜日
小壷
昨日、戻ってきてから小壷にもうひと手間加えたかったのですが上手くゆかずに全滅。今朝もすこし計画を変えて再挑戦しましたが何とか形にすることが出来ました。これをもう少し発展させて新たな方法を見つけることが出来ると一歩前進となるのですが。実際のところは焼き上がるまでどんなものになるか見当がつきません。明日は仏像造りの予定を変更して小壷造りになりそうです。
2024年1月26日金曜日
棚卸
今年初めての棚卸に行きました。工房から出る時、いきなり車を側溝に落としてしまいました。幸先の悪い事。何人かに押してもらい、何とか脱出しましたが。後は何とか無事に戻ってくることが出来ました。相変わらずですが冬は島の北側は天候が悪く、曇り空で空気も冷たく肩をすぼめてしまいます。途中でお隣の種子島を見て感慨もひとしお。あそこから飛び立ったロケットが月に到達したのだなと感無量でした。次はH3Aの打ち上げです。工房からも上がってゆくロケットを目にすることが出来ます。前回は目の前で打ち上げをみたのですが。つくづく屋久島に住んでいてよかったと思います。隣の島での打ち上げは、最高の眺めですから。戻ってくると工房はぽかぽか暖かい陽に包まれています。車の窓からは寒緋桜が美しく咲いているのを見て春の訪れを感じることが出来ました。
2024年1月25日木曜日
化粧掛け
昨日挽いた扁壷の化粧掛けを行いました。前回は成形途中で化粧を掛けたのですが今日は成形を終え、削りまで終わったところで化粧を掛けました。以前、そこまではやってたのですが、化粧の掛け方がくっきりしすぎて自然な雰囲気が出ませんでした。そこで今回はいくつか工夫をしてみたのですが、結果につきましては焼き上がってみないと分かりません。ただ、今回はここまでで終了予定。前は最後に素焼きが終わってから釉薬を施したのですが、今回は化粧掛けで終わり。より柔らかい雰囲気を狙っての事です。ただ、内側にだけは釉薬を掛けようと思っています。水が漏ってしまっては実用上問題が起きてしまいますから。物を造るという事は様々な要素を考えながらやってゆかないと。それでも絶対に百点にはならないと思います。
2024年1月24日水曜日
扁壷Ⅱ
昨日の続きです。扁壷を造りました。ちょっと感じが出てきました。昔造っていたような形。ただし寸法はかなり小さいですが。あの頃とは時代が変わりました。大きくて高価な器は今の時代には見向いてくれませんから。時代に合わせて物を造ってゆかないと、受け入れてもらうことが出来ません。最近はインバウンドというのでしょうか。海外からのお客様が多くなっています。でっかいものは持って帰ることが出来ません。焼き物を買ってくれるのはフランスからのお客さんが多いようです。やはり、アートへの目が養われているという事でしょうか。
2024年1月23日火曜日
扁壷
久しぶりです。扁壷を造るのは。昔は個展を開くときの定番アイテムでしたが。花生けとして、お茶室の床に飾るものとして。今作っているのはその頃のものと比べるとだいぶ小さいものです。旅行にきてお土産にできるぐらいの。手のひらに載るほどの寸法です。昨日作った化粧を掛けて。ちょっと土器風な感じに。それでも好きな形はなかなか出来ず幾つも壊すことに。大きな花生けも小さな一輪挿しも一緒です。造る側からは。納得ゆかないものは残すことはできません。明日も時間があれば再チャレンジしたいところ。今日よりはイメージに近づけるかも。庭で育てている植物が生きるような花入れを目指します。
2024年1月22日月曜日
化粧掛け
今日も化粧土作りから始めました。今日作ったのは生掛け用です。そして仏像に化粧を掛けました。素焼きに掛けるのは久しぶりで濃さがわからず、悪戦苦闘しました。陽が差してきたので生乾きの器を外に出しましたが出すと雨がぱらついて慌ててまた取り込んだりと忙しい一日。天気も荒れ模様で船もどうやらしばらく欠航だそうです。風も強くなってきました。ちょっと暖かい日が続きましたから、大寒らしい感じになって来たようです。
2024年1月21日日曜日
化粧土
日曜日の今日は、仏像を作るつもりでしたが、その前にやらなければいけないことが出来てしまいました。それは化粧土を作ること。先日制作した仏像が素焼きまで終わりました。この後高い温度でしっかり焼きたいと思うのですが、一つ課題があります。それは土器のような肌合いで、実際には硬く水が漏れることがない。そういうものを造りたいという事です。土の仏様で、焼成温度が低いと脆くなって壊れやすくなってしまいます。今作っているのは手のひらのすっぽり収まるような大きさですからなおさらです。どうしても丈夫なものにしたい。そのためにはしっかりと焼き〆ないと。しかし高温で焼けば硬くはなりますが見た目も柔らかい雰囲気を失ってしまいます。高温で焼いても土器のような風合い。今、目指しているのはそんな焼き物です。うまく表現することが出来れば器としても使えそうです。花を生けたり食器として使ったりと。難しい課題になりますが、丈夫な土器。今考えているのは抽象的ではありますが、そのような原始性を備えた現代のテクノロジーを反映した焼き物。あれこれ、頭では想像しているのですが、どうなることやら。今日は何とか一歩でも踏み出せないものかと、奮闘していました。
2024年1月20日土曜日
ハイテク
夕方のお客さん。フランスからのファミリー。片手にスマホでグーグル翻訳。支払はカード。なんともハイテク。近頃はそんな感じです。地図もスマホですぐに検索。いやー便利な時代になりました。順調にゆけば問題ありませんが、ひとたびトラブルが起きると、年寄りの悲しさ。息子を読んで解決してもらわないと手も足も出ません。昔は年寄りの冷や水と言いましたが今は年寄りのハイテクとでも言っておきましょうか。
2024年1月19日金曜日
大寒
一年で最も寒い季節。今日からですが、ここは昨日蚊が飛んでました。朝から雨です。今日も工房で仕事。化粧掛けをしました。体験が二組。日々変わらない暮らしが続きます。そしてとうとう74歳。1950年生まれは計算が簡単です。時々歳を忘れてしまい計算しなおします。若い頃は寒の修業と言って、夜中に水をかぶって、写経をしたことがありました。自分の誕生日になんでと不思議でしたが、親がやれというので逆らうことが出来ませんでした。今となっては懐かしい思い出です。若かったからできたこと。懐かしく思い出します。東京は冬になるとろくろで挽いた器が一晩で凍ることもありました。何十年前の話でしょうか。最近大昔の事が、すぐ前の出来事のように思い出すことがあります。
2024年1月18日木曜日
復活
膝がほぼ良くなったようです。少し違和感が残っていますが。今回は、完治は無理だろうと思ったのですが。だから、墓場まで持って行くだろうと覚悟していました。今朝は、五時に外に出ると雨がぱらついていました。そこで、畑はあきらめて工房で昨日挽いた器をを削りました。その後またろくろ。朝の五時から夕方の五時まで。昼休みと休憩時間を差し引いても都合十時間はろくろを蹴っていました。そこまで酷使しても膝に問題は起きてません。去年痛めてから、朝昼晩の三回、サロメチールを塗ってラップで抑えるという自己流治療をしていました。病院にはゆかずに。それが効いたのかどうかは分かりませんが、何とかここまで復活しました。歳も明日で74歳。父が亡くなった年齢を二歳ほど越えることが出来ました。この先どこまで行くことが出来るか。いずれにしてもあきらめないでチャレンジを続けてゆきたいと思っています。
2024年1月17日水曜日
29年
阪神淡路震災から29年経ったとか。早いと言えば早かったようですがその間にいくつもの大きな震災に見舞われました。思い起こすと、あの震災も6000人以上がおなくなりになったのですね。あの後しばらくして神戸のデパートで個展を開いたのですがまだ床に段差が残っていました。お客さんの多くの人達が震災の話をしていました。淡路には高校時代の友人がいてあの震災でやっていた設計事務所がダメになって、就職したのですがその後、まだ若いうちに亡くなってしまいました。彼とは高校時代に淡路島や神戸の海で一緒に泳いだ思い出があります。同じ美術仲間で彼は建築士になりこっちは陶芸を仕事にすることになりましたが。全寮制の高校で同じ部屋でまさに寝食を共にした中でした。もう一人やはり同室だった別の美術仲間も早くこの世を去ってしまいました。屋久島に来た年ですからまだ22歳だっと頃、彼から突然手紙が届いて会いたいという事でした。ところがその頃は陶芸という仕事に出会ったばかり、時間を取ることが出来ずに会いに行くことが出来ないまま過ごしていたところ、急逝したという話が届きました。高校時代には共にデッサンに励んだり好きな作家が一緒だったので図書館でよく一緒に過ごしたものでした。彼はデザインの学校へ行きこちらは絵描きを目指した後陶芸の道に進みました。昨年は同じ高校の美術の恩師も天に召されてしまいました。気が付くと周りはスカスカ。明日は我が身という思いでいっぱいです。今年は年明け早々大きな地震に見舞われてしまい、震源地の珠洲とは因縁もあって、まさにわがことのように胸が痛んでおります。先日はこの屋久島でも大きな地震が起きそうとのニュースも出ておりました。災害列島ですからいつどこで何がおきてもと覚悟をしています。せめて今年、もうこれ以上の災害に見舞われないことを願うほかありません。
2024年1月16日火曜日
ハウスバンド
昨日から、ビニールハウスのビニールを押さえるための紐を足り外しています。去年の台風の時に大慌てでビニールをはがしたのですが、紐はそのままになっていますつなぎっぱなしで何年も使っていたので切れかかっていたり、こんがらがっていたりでうとしても簡単にほどけてくれません。おまけに解くときのことをあまり考えずに結んでしまいましたのでなかなかほどけてくれません。どうにもならないものははさみで切ってしまったり、とにかく次にビニールをかぶせるためにきれいにしないと。もう二日やっています。そもそも紐を結ぶためのパイプがだいぶ錆びてしまっています。ハウスの入り口のドアも鉄のレールが錆び腐っていましたし。そろそろ寿命のようです。もう少し長持ちさせるためにはさび止め塗料を塗ってみようかなどと考えたりしています。潮風の酷い屋久島、これまでよくぞ持ってくれたと思った方が良いのかもしれません。
2024年1月15日月曜日
ガゼボ
今朝は、一通り庭と畑の草取りが終わったので、最初に草を取り始めた家の入口に戻ってきました。気が付けばもう雑草だらけ、今年は特に暖かいのであっという間に覆われてしまいます。実は逃げ込みようの小さな小屋を作ろうと計画してたところです。小屋と言っても直径一メートルほどの筒型の小屋のようなもの。イメージとしてはムーミンハウスをうんと小さくしたようなものなのですが。二か月前にはイメージがはっきりしていたのですが、いつの間にかおぼろげになって形が浮かばなくなってしまいました。それでも材木だけは入手して工房の裏に置いてあるのですが今は雨ざらし。放っておいたら腐らせてしまいそうです。雨のシーズンになる前に何とか造っておきたいところですが、その前に畑に色々植えないと。やりたいことが多すぎてとても手が回りそうもありません。焦る気持ちを抑えつつ 体と相談しながらゆっくりと進めててゆきたいと思っています。
2024年1月14日日曜日
ミニハウス
昨日でひと通り完了したと思った草取りでしたが一か所まだだったところがありました。それがミニハウスの中です。ハウスとはいえビニールもはがしっぱなしですから、フレームに覆われた野ざらしの空き地です、去年一度だけ草を取ってブルーベリーの苗木をプランターで八株ほどおいてました。最初のうちは水をあげたり肥料を撒いたりしていましたが、夏の暑さと雑草の勢いに負けてしまい、後は放ったらかしでした。今朝草を取ってゆくとおそらく全滅だと思っていたブルーベリーの苗木が四株も生き残っていました。うちの庭では苗を十株植えて一、二株生き残れば上出来です。五割の生存率は出来過ぎ。ちょっと希望が湧いてきました。ひょっとしたらいつか生きてるうちい自分で育てたブルーベリージャムが食べれるかもしれません。そこで思いついたことがあります。以前ほぼ失敗したローゼル。今年再挑戦してみようという事です。うまく育てればハイビスカスティーとかジャムが作れるかもしれません。赤い色のスムージーが出来るかも、楽しみです。そうそう、昨日ハウスから島唐辛子を収穫してきました。ハウスではただ一本だけ生き残ってくれた島唐辛子。その種を蒔いて何とか苗にして育てることが出来ないか。以前自作の大量の柚子胡椒を作ったことを思い出しました。
2024年1月13日土曜日
草取り
敷地の草取りがほぼ終了しました。二か月かかってしまいました。最後はビニールハウスの中。これが難敵で思ったよりも大変でした。去年一度はきれいにしたのですが。生きていると思ったパッションフルーツも全滅。島唐辛子はかろうじて一本、生き残っていました。去年の台風の時にビニールははがしたまま。これからまたかぶせたいと思っています。さてこれからどこに何を植えるか、思案のしどころです。今朝は三時間ほど無理して頑張ってしまい、気が抜けて何もできませんでした。折角の週末で仏像を作りたかったのですが。
2024年1月12日金曜日
ロケット
何とか打ち上げが上手くいったようです。今年になってあまり良くないことが続いたので心配しましたが。ちょっと風が強かったし。工房からも上がってゆくところが見えるのです。H3の時は種子島のすぐ前で見て、上手くいったと思って戻ってきたら失敗だったとがっかりしたのです。ロケットは上げてみないと分かりませんから毎回ドキドキです。打ち上げは一か月後でしょうか。明日はお隣、台湾の選挙です。これも一体どうなることやら。日本列島の南の島で暮らしていると、他人事には思えません。今年は世界中で様々な動きがありそうです。年末にはアメリカ大統領選もありますし。日本の首相もどうなるのか。この島であれこれ気をもんでもどうしようもない事ですが。目の前の仕事を一つずつ進めてゆくしか無いとはわかってはいるのです。
2024年1月11日木曜日
たりたり
朝から、あまりにもいろいろやったので、今日一日思い出せません。畑で草取りしてたら雨が降ってきて、工房に逃げ込んで先ずは鉢を削ったり、コーヒーカップに取っ手を付けたり、白化粧を掛けたり、黒化粧を掛けたり、最後はろくろで輪花の鉢を挽いたり、化粧をかけた生地に柄を入れたり、その他にもいろいろやったので覚えてません。焼き物屋って雑用の積み重ねだと、再確認しました。
2024年1月10日水曜日
削り
昨日、挽いた鉢を削りました。高い台の付いた器で分厚く土を取ったので、まだ柔らかく削り道具が土を押してしまって形が崩れてしまいます。そこで、今回は二度に分けて仕上げることにしました。柔らかい土を厚く取ると、乾いた縁に引っ張られて割れてしまいます。かといってそのまま削ると変形してしまいますし。一回目は粗削り、もう少し乾いたら仕上げ削り、という二段階です。それでもおそらくかなり傷が入ると思います。おまけに化粧もかけなければいけません。普通の器に比べると時間も手間もかかります。幸い、空気がそれほど乾燥してません。これで風でも吹いたらまともに削ることも難しくなります。陶芸は臨機応変。経験が必要な仕事だと思います。
2024年1月9日火曜日
門松
ここ二年程、お正月の松飾を手作りしています。ずっと、年の瀬にしめ縄を買っていたのですが、材料が身の回りにあることに気が付き自分で作ることにしました。家の周りにあるものですべて賄われます。メインの竹も工房の裏の山に真竹が生えています。昔生えていた竹がいつの間にか枯れて消えてしまいましたが、長い年月が経って、道路の際から出てきたのです。屋久島では唐竹と呼ぶ真竹ですが、細工には向いていてよそではかごを編んだり様々な竹細工に使われています。孟宗竹に次ぐ太さがあって、ミニ門松を作るには最適です。七日の日に、お飾りを外したのですが、捨てるにはもったいないので、今朝門松を分解した後、竹を割って竹ひごや竹べらを作るような大きさに加工しました。陶芸の制作では竹で色々な道具を作ります。トンボと言って、器の大きさをそろえるための道具にしたり粘土を削ったり仕上げたりと多くの使い道があります。お抹茶を点てる時に使う茶杓を作ることもできますし。こんな便利な素材が自分の敷地にあるという事はありがたい事だと思います。それに青い竹はすがすがしくて花を活けても映えます。自然に感謝しながら利用させてもらいたいと思っています。
2024年1月8日月曜日
仕事始め
世間は明日から仕事始めになるのでしょうか。わが工房は今日から本格的に作業開始です。まず土練機を回して土を練ってろくろ作業です。去年の末に注文を頂いた器を作り始めました。しばらく休んでいたのでどうかなと思いましたが、思ったよりもスムーズ。足の調子もだいぶ良くなってきました。ただ塗り薬をつけすぎてかぶれてしまったので今日からしばらく薬はつけないことのしました。今年受け付けた陶芸体験の作品を削ったり、お客さんが来てくれたりといつもの生活が戻ってきました。これから日常が続いてゆくのでしょうか。
2024年1月7日日曜日
一月七日
今日は七日です。早いものです、あっという間に一週間が過ぎてしまいました。色々なことがあり過ぎました。そして、今日は「祝い申そう」といって 子供たちが一軒ずつ家を回って、一年の家内安全を祈って歌を歌ってくれます。この歌は集落ごとに違っていて、島では伝統の行事です。それともう一つ。七草祝いというのがあります。東京では七五三にお祝いするのですがここでは七草のお祝いというのをします。ご近所を回って七草がゆをもらって歩きます。こちらは鹿児島の伝統行事。ここでは昔からのしきたりが守られています。そして昨日の続きで小さな仏像を造りました。一個目はある程度できたところで心棒を外す段階で崩壊。気を取り直してもう一度やり直しました。今日のは弥勒菩薩様です。56億7千万年後のこの世を救うために現れるという仏様になります。出来はどうかというと相変わらず5点ぐらいのできです。しかし明日からは器づくりです。仏様は週末の楽しみにしたいと思います。
2024年1月6日土曜日
手乗り仏
何とかでっち上げました。乾いて三つに割れてしまったのが二つ。無理やり濡れた雑巾で戻して、顔を入れて心棒を抜きました。これで乾燥まで無事にゆけば何とか焼くところまではゆきそうです。出来はというと五点。百点満点ですからいかにひどい出来か。ただ幸いなのはその酷さを自覚しているという事。高校生のころデッサンをしていて自分がどんな絵を描いているのかがわかってませんでした。ただ、もしかして、実際にはもっともっとひどくて採点不能レベルなのかもしれませんが。次からは百済観音風から離れて、ちょっと趣の違うものに挑戦しようと思います。まだ、あきらめてはいません。ただし、本職の器づくりの合間にですが。
2024年1月5日金曜日
スリップウェア
久しぶりのスリップウェアです。今日は木の葉皿です。時々剝れるのが心配ですが、とりあえずはそれ用の化粧は出来ています。後は攪拌して篩を通して、しぼりだして模様を入れました。乾燥するまで時間がかかりますから、ちょっとお出かけ。実は孫たちが今日帰省する予定でしたが、直前になって熱を出して今回は見合わせることに。小さい子にはよくあることですが。それでも買い物だけには行きました。お店はまだ正月モードでお正月用品の売れ残りが多いようでした。おそらくまだ工場は稼働していろいろないのでしょう。くるまで走っていると春のような温かさです。世間はまだまだお正月気分のようでした。
2024年1月4日木曜日
仕事始め
今日から作業開始です。年末に入った注文仕事をはじめました。毎年頂く仕事ですが今年は一か月ほど納期が早くなりました。午前中は仏像と格闘して一個無理やり終わらせました。後二つ作りかけていたのですが、真っ白に乾いていくつかに割れていました。濡れた布をかぶせていたのですが隙間から風が入って乾燥してしまったようです。壊すには忍びないのでもういちど濡れた布の上からビニールで覆って何とか戻らないかとチャレンジすることに。我ながら諦めの悪い事です。庭の草取りもほぼ終えて、残すところはハウスの中です。あと三日もあればなんとかなりそうです。予定より一週間ほど遅くなってしまいました。まさか年を越すとは。今年は年頭からいろいろなことが起きています。平穏であってほしいとの願いも空しく。生きることは切ないものです。
2024年1月3日水曜日
仏像
一日、小さな仏像に向かいました。昨日の続きになります。全く思うようにゆきませんでしたが、無理やり完成に持ってゆきました。出来は百点満点で十点ぐらいという情けなさです。それでも何とか形にだけはしましたが、最後の最後に悲劇が待っていました。心棒が抜けないのです。しっかりと形が支えられるようにと太めの芯を使ったのが間違いでした。無理やり抜いたらボディーが三つに分裂、情けない状態になってしまいました。 泣きたい気持ち。今年は年の初めから多難な年になりました。この先どうなることやら。とほほ。
2024年1月2日火曜日
初手前
今朝、今年最初のお抹茶を喫しました。奮発して、去年買っておいた新しいお抹茶を点てました。ちょっとお高くて、これまでためらっていて開封しなかったのですが。スーパーの安いものとは味わいが違っているだろうと思ったのですが、がびーん、まったく違いが分かりません。点て方が下手なのか、舌がダメなのか。かくなる上は誰かに点ててもらうか、どこかで本物を飲んでみるか。道ははるかに遠いと感じました。仏像造りも今日から初めたのですが、まったく思ったものとは程遠い事に気が付きました。こちらも道は遥か彼方です。なんにしても年の初めに自分の至らなさがわかったという事は、この一年、目指すところが見えた気がします。時間は限られています。出来ることを一歩ずつ、すすめてゆきたいと思います。
2024年1月1日月曜日
一年の計
元旦です。あけましておめでとうございます。
いかがお過ごしでしょうか。わたくしはこの年になりますと、あまり変わりばえのしない朝です。そんなわけで昨日と一緒。朝は暗いうちから畑で草取り。そのあと散歩。おせちをつまんでお酒をいっぱい。お雑煮を食べてここにおります。今朝畑で一つ思ったのですが、ここ二年程、庭や畑で過ごす時間が少なかったなあと。それで草に覆われてますます足が遠のくという悪循環に陥っておりました。やはり、自然の中で過ごす時間を増やさないと。生きている証、(というと大げさなように聞こえますが、)陽に当たり、土に触れ、風を受けて季節を感じる。そんな時間をより多く持ちたい。出来ることなら、花を咲かせたり野菜を育てたいと思うのです。去年痛めた膝もそんな中で回復出来れば何よりだと。もう一つ、去年の暮れにボロボロのビニールが混ざってしまった粘土。これを何とかしようと。昔、作った石膏の仏像の型、年末に改造したのですが、それを使って庭に置く道祖神のようなものが出来ないか。もう一つは去年から時々作るようになった鉢。植物を育てるための。そんなものを色々作り焼くこと。そうすれば、あの土を生かすことが出来るし、庭も少しは見栄えが良くなるのではと。そんなことを器づくりと並行してやってゆきたいと思っています。
新しい年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。