今日、昼前のお客さん。十五年前にも工房によってくれたそうです。その時はお金がなくて買えなかった。そこで今回は買う気満々で来てくれたそうでう。息子がお相手したのですが。たくさん選んでくれて、それを手で持って帰るといったそうです。そのためにホテルでタオルを買って来たとか。スーツケースの緩衝材に使うためでしょうか。とても無理だから、送料はこちらで持ちますから、送るようにすすめたそうです。その話を聞いて嬉しいやら恥ずかしいやら。この十五年、それほど思い込まれるほどの仕事をしていたのかと。日々に流されて、自分を磨いて来たのか。尊敬する、陶のオブジェ作家集団、走泥社を引っ張っていった八木一夫さんは、「充足は戦いを弱める」という言葉を残してくれました。常に自分をハングリーな状態に追い込んで、戦いの火を燃やし続けよ、というような意味だと思います。そう、死ぬまで物造りは、前に向かって歩み続けないといけないと、改めて教えられた気がします。