体験作品が焼き上がりました。窯出しして、気がついたのですが、全ての作品が違う色の組み合わせだったということです。どおりで、時間がかかったわけです。それと、島内在住者ばかりでした。ありがたいことだと思います。色は狙った通り、綺麗に出たのですが、いくつか、失敗作も出てしまいました。一つは釉剥げです。お皿の縁の釉薬がうまくついてないのが見つかりました。おそらく、釉抜き剤に触った手で、触れてしまったのでしょう。十分注意していたつもりでしたが、今回ほど、何度も重ね掛けしたことはありませんでしたから、ある意味濃厚接触してしまったようです。それともう一つは釉垂れるです。こちらは、窯の中で溶けて流れ落ちた釉薬が、他の人の作品に垂れてしまうことです。よんどころなく作品を並べる板からはみ出した底の部分から、その釉薬が溶けすぎて別の人のお皿に落ちてしまったのです。見事なグリーンの水玉模様がお皿の真ん中にできてしまいました。もう、今更削るわけにもゆきません。なんといって謝ったら良いのか、今から心が痛みます。おまけにこっちは、はがした後の棚板に不用意に触れてしまい、指からの出血がなかなか止まりませんでした。まさに泣きっ面に蜂です。
まあ、その二つを除けば綺麗にできたなとは思うのです。陶芸という仕事は、常にアクシデントと隣り合わせのものです。だから2割ぐらいの失敗作は覚悟しているものです。しかし体験では。それが許されません。かといって、希望に沿う様に、焼き上げるためには、冒険も必要ですし。そのはざまで足掻いているのが、今の姿だと思います。