2022年5月3日火曜日

四神

馳星周の「比ぶものなき」を読み終えて、次の「四神の旗 」を読んでいます。前作は藤原氏の礎を作った男の物語。次作はその四人の息子たちの話です。物語の中で四人の性格を表すのに、土、風、火、水に例えるところがありました。これって、四つ合わせるとまさに焼き物ができるなと思いました。土を水でこねて形を作り、火で焼く。焼くときには風がないと温度が上がりません。日本の歴史には焼き物が常に関わっているようです。土器に始まり埴輪、それから様々な器まで。日本には粘土が取れて、木も豊富です。中国やエジプト、メソポタミアの古代文明は薪を取るための木を伐採し尽くしていつの間にか砂漠化したという学者もいます。日本もこれまで営々と焼き物を作り続けられてきましたが、幸い森は現代でも維持されています。雨が多かったということもあるでしょうが、徹底的に伐採しなかった、日本人の持つバランス感覚が生きているのでしょうか。日本という国も社会も困難を乗り越えて続いています。我々の世代も、絶やすことなく次の世代へと繋いでゆかないといけない。そんなことを思いながら読んでいます。