2022年5月13日金曜日

戦後

 佐野眞一さんの著書に「沖縄 誰にも知られたくなかった戦後史」という本があります。戦後の沖縄のあの時代を生きた証人達へのインタビューで構成されています。今生きているとしたらおそらく100歳近くなっている人たちでしょうから、ギリギリのタイミングだったと思います。戦後っ子と呼ばれて団塊世代の尻尾、1950年に生まれた身としても、実はあまりその時代のことを知りませんでした。ただ高度成長の波に乗って競争社会を揉まれて生きて来たように思います。今放送中の朝ドラでの四人兄妹の長男とほぼ同世代です。話の主役が東京へと旅立った同じ年に東京から屋久島へとやって来ました。そのとき持って来た服とかはデパートで開かれたベトナム戦争の放出品頒布会で買った頭陀袋に入れて来ました。いっしょに買ったカーキ色の寝袋には血の跡がこびりついていましたしスコップは塹壕を掘ったりに使われたものでしょうか。今思うとあのような催しが東京の一流のデパートで行われたことにも驚かされますし、当時のベトナム戦争が身近だったということでもあったのでしょう。屋久島に来る前に立川の基地まで行ったことを思い出します。死体洗い一体10000円という何かで読んだ記事を真に受けて仕事を求めて行ったのでした。実際のところは見つかりませんでしたが。終戦間近、沖縄は日本で唯一、地上戦が行われ、多くの命が失われました。今のウクライナ情勢と似たようなことが起こっていたのでしょうか。東京でも大空襲で多くの人が亡くなっています。そんな時代がわずか50年あまり前に日本にあったのです。戦後の混乱から立ち直って、近代化へと向かって歩みだす、そんな時代がどのように描かれるのか気になります。あの兄妹たちも今ではおじいちゃんおばあちゃんと呼ばれる年代になっているのでしょう。