悪天候で山へ登る道は通行止になりました。大雨が降ったようです。船も止まりましたし、島は孤立状態です。工房の奥で釉掛けをしているとお客さんだと呼びに来ました。近くに住んでガイドをしている人でした。たまに工房に寄ってくれます。ミルクを温める片口を探しているとのことでした。背が高くて、取っ手がついているのはないかとのことでした。いろいろ探しましたが希望通りのは見つかりませんでした。ただ、奥の方にあった、釉薬が一部よれたものが、使えそうなので、使ってもらうことにしました。すると、その代わりにと猫のオブジェを買ってくれました。跳び猫です。
工房に入ったときから気になっていたそうです。実は、このかた、我がオブジェの最大のコレクターなのです。オブジェを作り始めた頃から、収集してくれています。おそらく相当な数持っていると思います。もう、すでに忘れてしまったものもあると思います。何しろ、オブジェ作りは、その時その時、思いついたものを作っています。仏像だったり、子どもだったり、抽象的なものだったりと。そして、いつの間にかなくなってしまったものもあります。作ったものの資料もありませんから。そんなわけですから、一度、見てみたいと思うのですが。なかなかそのような厚かましいことは口にできませんし。おそらく、他の作品と一緒で再び出会うことはないと思います。ものづくりなんてそんなものです。