2020年1月16日木曜日

樅の木

暮れから読んでいた山本周五郎の「樅の木は残った」をようやく読み終えました。

短編集ばかり読んでいたので、手ごたえのある長編作品でした。舞台は伊達藩。いわゆる伊達騒動を描いたものです。どちらかというと、悪役とされていた原田甲斐が、実は命をかけて藩を守ったというお話。幕府側はなんとか外様の大藩を取り潰そうとあれこれと計略を計り、それを命をかけて守ろうとする、戦いが描かれています。話の中で、伊達六十万石をとりつぶすことができたら、次には薩摩七十七万石、加賀百万石を見据えていたはずということが出てきました。もし。そこまで行ったなら、今とは全く違った世の中になっていたかもしれません。何しろ、幕末の倒幕の旗頭が薩摩藩だったのですから。そういう意味でも、興味深く読むことができました。一つ、思ったことは、歴史は見る人の立場、見方によって、百八十度変わってしまうということです。今度、放送される大河ドラマも、明智光秀をこれまでとは違った視点で描くのだと思います。まだは始まっていませんが、ちょっと気にかかるところです。