2020年6月9日火曜日

さて

お元気ですかー。なんて人に尋ねたいときは、自分が少し元気をなくしている時のようです。昨日ちょっと働きすぎて、疲れているのかもしれません。それに、雨で、工房に下りて、さて、今日は何をしようかと固まってしまったのです。だいたいいつも、二つ三つはやりたいことが待っているのですが、注文仕事も作り終えたし、これといって思い浮かびません。こんな事近頃なかったのです。コロナ明けと言って良いか、わかりませんが、気が抜けていることは間違いないようです。そこで、夏に予定していた、型物の仕事を前倒しして始めることにしました。おそらく三週間ぐらいはかかると思います。話は変わって、今読んでいる本です。この前の光回線の工事で掃除をしたとき出てきた物です。読みかけで忘れていた佐野眞一の「乱心の曠野」という甘粕正彦を描いた本です。

甘粕は大杉栄を殺害した罪で服役して、その後満州に渡り満映という映画会社を引っ張り、終戦の時には青酸カリを飲んで命を失うという数奇な運命を辿った男です。佐野の筆力もさることながら、甘粕という独特の個性を持った人間の、陸軍の軍人から憲兵、そして刑務所を出て満州で新たな世界を切り開くという、変転がおそらく描かれるのだろうと思います。まだ三本の一ほどまで進んだところですから。この話、佐野自身の生き方にもどこか不遇な晩年というところで重なるような気がしてなりません。現在はどうしているのでしょうか。ある意味、天才といっても良いライターです。復活することを祈っています。