素焼きの窯出しをしました。なんと、四つ入れた、手洗いボウルが全て粉々に砕けていました。
どこか一部が欠けているとかいうのとは明らかに違います。ということは空気が入っていたからではなく、乾いてなかったということです。十日以上かけて乾かし、手で触っても湿った感じはなかったのですが。この時期です。湿度百パーセントという日が続いています。一度風に当てて乾かしても、そのあとの湿気で水分を吸い込んでしまうのかもしれません。我が陶芸人生でも、これほどひどい壊れ方は初めてです。昔、東京で個展をやっていた頃はいつも6月開催でした。そこで作品がなかなか乾かず、工房にストーブを持ち込んだり、扇風機を回したりしました。それに、焼締でしたから、生で窯に入れます。そんな時は二日ぐらい窯の中でも、火をチョロチョロ燃やして、窯ごと乾かしました。それが、今回はいつもの調子で、それも、コロナの影響もあって窯を焚いたのがずい久しぶりでした。窯も湿気ていたのかもしれません。なんにしても、納期が迫っています。六月末までです。大急ぎで土を作り、ろくろで5個ほど挽きました。そして、エアコンのドライをつけて乾かし始めました。これから、ずっとこのような天気が続きますと、とても間に合いそうもありません。それにまた、乾ききらないうちに素焼きをすれば同じことの繰り返しになります。さてさて、一体どうやってこの危機を乗り越えたら良いのでしょうか。