ようやく、雛壇と屏風の型作りが終わりました。ちょうど、一週間かかって、豆雛飾りづくりのすべての工程が終了しました。あとは型が乾燥したら、試作してみようと思っています。来年の三月にはこれを飾ってくれるところがあるのでしょうか。コロナ騒動が持ち上がったのが3月ごろからでしたから、なんとか一年先には落ち着いて、穏やかな日が戻ることを祈りたい気持ちです。ところで、雛壇という言葉からは、国会議員さんとか大臣とかがずらっと並んでいるような絵柄が浮かんでくるのはどうしてでしょうか。晴れの舞台といったような雰囲気からの連想でしょうか。雛形という言葉も、一般用語として使われます。今はテンプレートというような意味でしょうか。「ちょっと、ひな形作ってみてよ」なんてビジネスで使ったのではないでしょうか。昔は、お雛様を飾るという習慣が今以上に当たり前だったのでしょう。現代の暮らしでは部屋も空間にもそれほどゆとりがなくなって、大きな雛飾りは邪魔になってしまいそうです。まあ、生活にゆとりがなくなったとも言えそうですが。さて、これで、石膏の仕事は終わりと思ったのですが、その前に一つどうしても作りたいものが頭に浮かんでしまいました。小さな花瓶ですが、型で作る扁壺になります。五月になって自宅の脱衣所のカレンダーが変わって、扁壺に活けた花の写真になりました。その画像を眺めて、ハッと閃いたのです。我が工房の青い釉薬を使えないかと。青い釉薬は流れやすく、器の外側には使えませんでした。しかし、扁壺の一面にかけて、横に寝かせて焼けば流れることはありません。表の面に使うことで綺麗な青い色が花瓶の全面に出るのです。そこで早速、原形作りに取り掛かりました。
もちろん、石膏で型を作るわけです。明日はなんとか石膏取りまで行きたいと思っています。