CREATE LIKE A GOD,
COMMAND LIKE A KING,
WORK LIKE ASLAVE ,
先日、オークションで、このような言葉が書かれたパネルを見つけました。なぜか聞いたことがると目を止めました。そのうちに気がつきました。大好きな彫刻家、コンスタンチン ブランクーシ が残した言葉でした。日本語では「神のごとく創造し 王のごとく命令し 奴隷のごとく働くこと」となります。ブランクーシはルーマニア出身の彫刻家で19世紀にパリで活躍しました。あの、ロダンから才能を認められて誘われますが「大樹の下には何も育たない」といって断ったそうです。石や木を使ってプリミティブとモダンを併せ持った彫刻、空間芸術とでも言いたいような作風でした。高校時代の友人で石の彫刻家に酔っ払ってはブランクーシの話を聞かされて、気がついたら大いに影響を受けるようになっていました。作品も言うまでもありませんが、むしろ生き方の方が惹きつけられました。上の言葉は誰かがフランス語から英語に訳したものだと思います。彼の作品は抽象化が進み、最後には巨大な石が転がっているような作品に至りました。そこで、台座が作品たらしめるための重要な位置を占めるようになりました。台座を含めて作品として成立しています。我が国の仏像と同様な歩みでした。空間芸樹とは周りの環境を含めて成立すると思います。ブランクーシの生き方に問題定義をした関根伸夫と言う彫刻家がいます。彼は巨大な自然石を磨きあげたステンレスの柱の上に乗せました。台座のステンレスが鏡のように周りの風景を映し出して、まるで宙に浮いているようにも見えます。影響を否定したブランクーシに対する彼の答えかもしれません。これぞまさに台座を含めた彫刻だと言う。関根が残した言葉です。「神のように創ることなく、王のようには気高くなく、奴隷のようにただ働く」