2020年8月31日月曜日

霧吹き修正

今日、釉掛けをしていると、二重掛けの釉薬がひび割れしてしまいました。うちの工房では釉薬を何度も重ねてかけることが多いのですが、二回の重ね掛けで割れることはあまりありません。あとからかけた釉薬がかなり濃かったようです。そんな時は剥がしてやり直すか、指で押さえてそのまま焼くことが多いのですが、今回は思いついて、霧吹きで水をかけて、濡れたところで指で押さえるということをしてみました。

そのまま、指で押さえたりこすったりしても、焼きあがるとヒビは必ず出てきます。指で押さえても生地には密着していないからです。釉薬掛けは、素焼きの吸水性が大切な役割を果たしています。水分を吸収する時、釉薬がしっかりと固定します。だからもう一度水分を加えて、生地に吸収し直させればひび割れも目立たなくなるのではと考えました。うまくゆくかどうかはわかりませんが、やってみることにしました。陶芸の技法書やネットの情報には、案外細かいところは書かれておりません。古くからの産地では、当たり前のように行われていることも、独学でやっている人には、謎であることもしばしばあります。畑仕事でも、そんなこともわからないのかと笑われるようなことを何年も続けていることがあります。そんな時は誰かのやっていることを見るのか教えを乞うのが一番なのでしょう。百聞は一見にしかずです。おそらく頓珍漢ばかりやっていると思います。だから、人よりもはるかに遠回りしているのでしょう。まあ、それも楽しみではありますが。