2020年2月21日金曜日

成れの果て


先日から作ってきました彩色カップをいくつか本焼きしました。白化粧をして、針で模様を彫り、下絵の具で色を入れたものです。ほぼ、95パーセントは成功したのですが、内側の口辺部が若干、化粧の付きが甘いようでした。素焼きで待機中のカップ達を思い切って壊すことにしました。器は、ほんの少しでも、焼きが甘いと、使っているうちに剥がれるということが起こる可能性が出てきます。古い粉引の器ではよく見かけるのですが。やはりプロですから、納得できないものを収めるわけにはゆきません。泣く泣く、30個ほど砕いて、工房の入り口に敷きました。最近車の底を擦った人がいましたから。地面が削れて凹んでいるところを埋めるためにです。

焼き物屋にとって、失敗はつきものです。温度が上がらないとか焼きすぎたとか、釉薬が剥がれたとか窯の中で割れたとか。いろいろなことが起きるものです。残念ではありますが、窯を焼く人間の宿命です。特に化粧の仕事は、なかなか難しい壁がいつもたちはだかってきます。気を取り直して、明日からまた、やってゆこうと思います。