工房の入り口の野葡萄が色づいてきた。青い色なのだが、微妙な変化があって、見ているとワクワクしてくる。エメラルドグリーンからパープルまで、一粒ずつ同じ色がない。以前、野葡萄は虫が入りやすく、入った虫の違いが、色の変化を与えていると聞いたことがある。本当かどうか、わからないけど、ロマンのある話だなと思った。植物と動物が力を合わせて色を生み出しているなんて。確かに自然の中には、昆虫の力を利用して、受粉したり、そのために味や香りで呼び寄せることも知られている。花の色も、鳥や昆虫を呼び寄せて、タネを遠くへ運んだりと、生態系は複雑に絡み合って単純ではない。実は我が工房で、青を極めようと思い立ったのも、変化する、海、空、そして植物や昆虫、鳥たちの生き生きした青がおおいに刺激してくれたからかもしれない。