毎年、秋口に必ずやってくるカップルがいます。奥さんがろくろ、旦那さんが手びねりときまっていて、まず、今回のテーマはというところから始まります。今回は、奥さんが和風スープカップとか。そもそも、和風スープカップという意味が難しく、尋ねますと、けんちん汁とか具沢山味噌汁と言ったイメージとわかりました。大きめの平たいお椀のようなものを目指すことにしました。旦那さんの方は、紐作りで、酒を注ぐ器を作りたいとのこと。縄文土器のようなイメージでと。今回もかなり難しい注文でしたが、奮闘の結果です。
余った土で、ぐい呑までできました。手前のが奥さんが挽いた和風スープカップです。合わせて、3つできました。色は、土っぽい色を希望。焼き上がるのは、もう少し秋も深まってになるでしょうか。お話を伺うと、完全な和食党。そして、お二人の出会いも、日本酒が好きということが、話のきっかけだということでした。この酒器でどんな会話が生まれるのでしょうか。牧水の歌を思い出しました。
「白玉の 葉にしみとほる秋の夜の 酒はしづかにのむべかりけり」