昨日は大阪のデパートのバイヤーさんんが工房を訪れてくれました。細かいところまで煮詰めてくると、もう後戻りできないという思いで身が引きしまります。今日から十二月ですから会期まで3ヶ月しかありません。果たして間に合うだろうかとドキドキします。今年は正月返上となりそうです。もちろん畑も当分足を踏み入れることもなくなるでしょう。来年は屋久島で焼き物を作り始めてちょうど50年になります。そういう意味でも節目の年ですから、なんとか頑張ろうと思います。
ところで、作詞家の喜多條 忠さんが亡くなられたと知りました。あのかぐや姫の名曲、「神田川」を作詞された方です。我々と近い団塊真っ只中の生まれです。昔、神田川の上流になる善福寺川の脇にある家で育ちました。あの歌が流行した頃、あの川ぞいの道を毎日のように歩いて、悩んだり、酔っ払って歩いたりして過ごしました。おそらくあの歌を口ずさみながら、それぞれの青春と重ね合わせた方達も多いことと思います。今から50年の歳月をさかのぼる時代です。当時は、屋久島で作陶を始めた頃で、窯は失敗の連続で、東京と島を行ったり来たりの生活でした。今思えば、どんな無理でも、どんな無茶でも、恐れるものは何もなかった、時代でした。気がつけばあれから50年の歳月が過ぎてしまったのですね。心より、ご冥福をお祈りいたします。