二週間の病院生活から戻ってみると、秋が本格化していました。入院する日の朝にタネを蒔いたほうれん草と春菊は芽が出ていました。庭のローゼルは花が咲いて、今はたくさんの実がなっています。収穫して、ハイビスカスティーにしたり、ジャムを作ろうと思っています。着る服も長袖の上からフリースを重ね着しています。二週間前は半袖のTシャツだったのに。ヤクルトがリーグ優勝して、衆議院選挙が終わって新しい政界地図ができました。実は病院に臨時の投票所ができて、入院患者がぞろぞろ並んで投票用紙に候補者の名前を書いたのが懐かしくなります。右手が使えなくて、左手でやっと文字を綴りました。あまりに下手くそな字に思わず笑ってしまいました。昨日は元気だったのですが、今日になって、どっと疲れが出たらしく、工房の休憩室で動けなくなってしまいました。病院では何もしないでただ横になっていただけなのに、体に疲労が溜まっていたとは思いもよりませんでした。何しろ点滴を一日八本、それに血液の流れを良くする点滴は二十四時間流しっぱなしでしたから。夜も眠れたような眠れなかったような。基本的にな家族と接触する他は、気ままに暮らしていましたから。病室に入ってからは、緊張のせいかトイレが近くなって、しょっちゅう通っていました。今はだいぶ落ち着いてきましたが。病院というところも暇なようで、いろいろな仕事の人が入れ替わりにやってきますし、四人部屋でしたから、周りの人にも気を使いますし、案外気が抜けないところでした。家にいた時はどうしても体重六十キロの大台を破ることができませんでしたが。帰ってきて体重計に乗ると五十八キロになっていました。三度三度、病院の食事は全量摂取してたのですが。それが家に帰った途端に元の体重に戻ってしまったのが不思議です。これからまだ当分は朝と晩の八時には訪問看護師さんが点滴に来てくれます。それが終わってようやく晴れて、お酒も飲めそうです。