2022年3月4日金曜日

マンケル

 ヘニング・マンケルの警察小説、クルト・ヴァランダー シリーズの最終作を読み終えました。なぜ最終作かというとマンケルがこの世を去っていたからです。タイトルの「苦悩する男」とは娘の相方、小説の中では結婚していないが女の子を設けている彼氏の父親のことです。元、潜水艦の艦長。国際スパイ小説といえそうです。ヴァランダーは60歳の定年が近づき、奥さんとは離婚して、糖尿病とアルツハイマーに苛まれているようです。実はその前に読んでいたデンマークの作家の書いたカール・マークシリーズが十巻シリーズの八巻までで追いついてしまい、次に何を読もうかと迷っていたところ、ヴァランダーのこの作品がキンドルで推薦されていたのです。このシリーズは昔、読んでいたのですが、なぜか途中で離れていました。スウェーデンとデンマークは国境を接し、パスポートなしで行き来できるごく近い国です。ヴァランダーも車でコペンハーゲンと往復することもしばしばです。舞台は冷戦終了後の海軍、ロシア、アメリカ ドイツなどの国が複雑に絡み合って、まるで現在のウクライナでの戦争を予感させるような展開を見せます。ヴァランンダーは作者のマンケルと等身大で描かれています。スウェーデンを代表する警察小説の作者が隣国のカール・マークシリーズを意識しなかったのかなと思っていたら面白いことに気がつきました。ヴァランダーが飼いはじめた犬の名がユッシ。なんとカール・マークシリーズの作者の名前と一緒。年齢もユッシが1950年生まれ、マンケルとほぼ同年代のようです。そしてかくいう私めも同じく1950年の生まれです。マンケルは一足先に逝ってしまいましたが・・・。