佐野眞一さんがお亡くなりになったそうです。心よりお悔やみ申し上げます。佐野さんといえば戦後を代表するノンフィクション作家。日本を引っ張ってきた方々からお話を伺って、紹介してくれました。いろいろ読ませてもらいましたが、好きだったのは、大河ドラマでも扱われた渋沢栄一の一族、渋沢敬三と民俗学者との交流を描いた、「旅する巨人」。当時の実業家が学者や芸術家のパトロンとして援助する姿が描かれていました。もう一つは、「誰にも知らされたくない戦後沖縄」。(ごめんなさいタイトルや内容があやふやで)。沖縄の戦中戦後の影の部分に日を当てた渾身のルポルタージュです。あの作品で、当時の様子を知ることができました。奇しくも、今週で戦後50年の沖縄の暮らしを描いた朝ドラ、チムドンドンも終わりになる、そのタイミングでこの世をさるという、不思議な縁を感じました。そしてもう一つ。国葬の陰で、戦後の日本の影の功労者たちの姿を映してくれた、一人の作家の死を悼んでおります。