2022年9月5日月曜日

色釉

 工房の釉薬はほとんど自分のところで調合しています。ベースとなる釉薬に色を付ける材料を加えて作ります。青ならばコバルト。緑だったら銅という具合です。色は大体、酸化金属を使います。コバルトなら酸化コバルト。銅なら炭酸銅か酸化銅という具合です。これは絵の具に使われるのとほぼ同じです。絵の具は、ベースになるものによって変わってきます。油に溶かせは油絵具。水性のノリなら水彩絵の具、プラスティック系だとアクリル絵の具といった具合です。絵の具は堅牢性が大切です。すぐに色が変わったり、褪せてしまっては困りますから。そうなると酸化金属が一番安定しています。錆びる心配がありませんし、鉱物ですから変質もしにくいですし。昔から、陶芸家の多くは釉薬を自分で作ってきました。それは焼成温度に合わせる必要があったからでしょう。画家が絵の具を自分で作るという話はあまり聞きません。まあ、日本画家が顔料を擦り潰したりすることはあったと思いますが。それと昔の画家。フェルメールが青い色を出すためにラピスラズリをすりつぶすところを映画で見たことがあります。話が長くなりそうですので、今日ところはこの辺まで。