2022年4月14日木曜日

百済観音

 最近仏像の写真を見ているのですが、やはり百済観音が大好きです。あの八頭身のすらりとした立ち姿。不思議な存在感。法隆寺で間近で見たときのことを思い出します。なぜか、収蔵館には誰もいなくて、30分ほどでしたが横から前からと対面できました。そして感じたあの感覚。まさに鳥肌がたってしまいました。百済観音は謎の多い仏様です。どこからやってきたのかがまずわかっていません。ほとんど文献も残っておらず、百済観音という呼称も大正時代から始まったようです。作者も不明。わかっていることはあまりなく、国宝になったのもだいぶ後からのようです。ただ制作年代は飛鳥時代で材質はクス。昔は虚空蔵菩薩と呼ばれていたようですがのちに宝冠が見つかったことから観音菩薩だとわかったようです、百済観音という呼び方はどうやら岡倉天心がつけたようです。実はどこか別のお寺から移ってきたのではないかと言われています。法隆寺には仏像の名品がたくさんのこされていますが、そもそも寺の起源から謎に包まれているようです。昔、梅原猛が「隠された十字架」という法隆寺の起源に関する本を著しています。前に一度読んだのですが、本棚に埃をかぶっていたものを探し出して再び読み始めました。一度ですが法隆寺を参拝しましたので、今回はよりはっきりとイメージを描くことができます。しばらく歴史の推理に遊ぶことができそうです。