一日、窯仕事でした。次の本焼の準備です。少なくなった釉薬を作り足したり。底に釉抜き剤を塗ったり、ペーパーをかけたり、なかなか手がかかります。木工に決してひけを取りません。ただ、やり慣れているから抵抗なくできるということでしょう。その点、木工は道具を探したり、段取りに時間がかかったり、ようするに工房が陶芸のために整備されているということでしょうか。毎日の仕事ですから、当然のことですが。木工も道具を揃えたり、材料を仕入れたりとかなり費用がかかります。以前、木工を生業にしていた人が、「木工は金食い虫ですから」と言ってました。その意味が今になってわかる気がします。島で育った杉を使ってさえ、そんなですから、銘木に手を出したりすれば、素材がまず高価になります。それに伴って、道具も良いものを揃える必要が出てきます。良いものはできるでしょうが時間も費用も大変なことになりそうです。屋久杉製品のような高価で売れるものを作らないと、合わないということになりそうです。百均に行けば、そこそこのものが並んでいます。いったいどれだけの利益が得られるのか不思議になります。陶芸もしかり。なんとかリーズナブルでクオリティーの高いものを作りたいという思うと、迷路に迷いこんだ気持ちになります。