エジプトの古い土器で上側が黒くて下が赤い焼き物があります。おそらく土器の一種っで今から六千年も前に造られたもののようです。あの器、国立博物館か中近東美術館かで初めて見た時すっかり虜になってしまいました。おそらく表面を磨いてつやを出したのでしょうが、わが国にも常滑の急須や佐渡島で研磨の技法が残っております。磨くことによって丈夫になったり、水が漏れにくくなったり、それとは別の意味、気持ちを込めるといった意味合いもあったかもしれません。大昔、焼き〆だけをやっていた頃、造った器をせっせと磨いた記憶があります。よく子供が泥遊びで丸い形を作ってピカピカに磨いたようなことをしました。ブラックトップの雰囲気が出せないかと土器風の味わいの器を最近よく作っております。取り組んでいるのは化粧土を表面に塗って。一部に釉薬を掛けるというものです。昔の焼き〆と、現在の釉薬仕事の融合といったような感じでしょうか。我が陶芸の原点回帰。少しずつですが、魅力的なものに進化させたいと思っております。