昨日の続きです。フジタの白。肌の色です。長い間なぞだったようですが、それは彼が誰にも教えなかったからです。乳白色の肌色。のちに分かったことですがどうやらベビーパウダー。日本製のシッカロールを絵の具に混ぜていたようです。シッカロールの原料はタルク。いわゆるタルカムパウダーらしいという推測がなされました。実は屋久島とも関係があります。タルクは日本語では滑石と書きます。遥か昔にこの島で焼かれていた縄文土器。一湊式土器と呼ばれたこの島独特の土器です。別称曽畑式土器と呼ばれていた土器は北九州に多く発見されています。その特徴はタルクを含むという事。屋久島にタルクが取れるという記録はありませんが一湊というところではカオリンが取れました。それも大変純度が高い白い粘土。1400度でも焼締まらない。昔からカオリンはおしろいとか化粧品の原料に使われていました。もしかしたらあのカオリンにはタルクが含まれていたのかもしれません。まだ、化学的に実証されたわけではありませんからあくまで推測にすぎませんが。しかし、そう思うとなんだかロマンを感じてしまいます。我が仕事焼き物造りと嗣治との。人はどこか見えない糸でつながっているのかもしれません。何故彼の作品が我が心を打つのか。実はもう一つ縁を感じさせる話があるのですがそれについてはいずれまた。