焼き物造りにおいて最も新しいテクノロジーは電気でしょうか。いわゆる電気窯。それの普及で個人で焼き物造りをすることが普及しました。一昔前だと、どこかの窯元で勉強するか、作家さんの元で学ぶか、産地にある指導所で基礎を身につけるか、あるいは学校に通うか、そのような道に限られておりました。ところが現在ではユーチューブで見て得た知識の元で、電気窯を買って通販で材料を取り寄せれば簡単に陶器を焼くことが出来るようになりました。今ではネットで調べれば大抵の技術が身に着けられるようになりました。ただし、あくまでもとりあえずという事になるのでしょう。より深く技を極めるためには長い時間をかけて、経験を積まなければなりません。一つの道で生活してゆくとなると、並大抵のことではなりません。まあ、それはあらゆる道でも同じと言えそうですが。たとえば表現活動として、絵を描いたり、立体を造形したり、音楽活動だったり、おそらく共通しているものでしょう。だからこそ、より深い研究と知識経験が必要なのだと思います。それよりも必要なのは運。時代にゆとりがないと表現活動に対する、支出がなくなってしまいます。まさに現在の日本の状況です。おそらく、創造的な活動をする力がそがれてしまったというのが現実でしょう。仮にそのことを運と呼べるのならば、運がなかったというほかないのかもしれません。世の中が少しでも活性化して、経済活動が元気になる事を望まずにいられません。