「 思えば遠くへ来たもんだー」というう歌がありました。「故郷はなれてー」と続くのですが、昨日、大昔の知人から突然電話が入りました。その方は師匠と言える方の奥さん。師匠と言っても一緒にいたのは半年にも足りません。陶芸の道に入るきっかけを作ってくれた方でした。その師匠もだいぶ前に他界されています。その方が屋久島に来るとのこと。もう五十年以上も前にお目にかかった方なのでうろ覚えなのですが。あの頃はまだ二十歳を過ぎて間がない頃でした。まだ陶芸という世界がどんなものなのか。画学生で絵のことしか頭にない頃でした。それが東京からはるばる屋久島までえっちらおっちらやってきて、いきなり合宿生活が始まりました。旅費がなくて、山谷で船の荷卸の仕事を徹夜でして、大枚八千円を手に、夜行バスと普通列車を乗り継いでたどり着いたのが屋久島でした。あの頃はまさかここに住み着いて陶芸で身を立てるようになろうとは。そんな時代に出会った方でした。もう、ほぼ忘れかけていた人がいきなり現れようとは、思いもつかない事でした。島には明日お見えになるとのこと。実は明日は白内障の手術後の定期検査で鹿児島に行く予定です。これから先いったいどんなことになるのやら、楽しみでもあり、不安でもあります。まあ、予測のつかないことが起きるから面白いのだと思うのですが。