ソーサーを挽きました。コーヒーカップのです。あまり造らない丸い形でした。それに合わせたソーサーをどういう造りにしようか迷ったのですがフラットで縁を少し起こした形にしました。こちらもあまり造らない形です。最初は新鮮で、面白かったのですが、なんとなく違和感を感じて、夕方見るといつもとあまり変わらないものになっていました。息子は手癖でそうなるのだろうというのですが。いや、むしろ目癖ではないかと思うのです。長い間に出来上がった、好みのようなものでしょうか。例えば人間国宝の人の展示会を見に行っても、若い頃の形の癖は亡くなるまで変わることがありません。つまり繰り返し同じような造形をしているということです。ただ、時間を重ねると、それがこなれて、深みになってゆくように思えます。繰り返しの美学とでもいいましょうか。そんなふうに重ねてゆけたら良いなあと思うのですが。