モノには魂が宿るというのは昔からの日本人の考えでしょう。だから一個の器だって決しておろそかにせず大切に使い続けるのだと思います。今日、突然ある人が、昔確か修理を頼んだ器があったと思うと言って工房にきてくれました。こっちはすっかりそんなこと忘れていて、そんなのあったかなあと言ったところ、息子が探し出してくれました。しかも修理済み。おそらく直した後にどこかへ置いているうちにすっかり忘れてしまったのだと思います。その方、たいそう喜んでくれました。こっちもおろそかに放ってなかったことに一安心。たとえ欠けてしまったり、誤って割ってしまっても器には愛着が残っており、おそらく昔の事を思い出すもののなのでしょう。一個の器。モノづくりとして決しておろそかにするべからずです。