2025年2月28日金曜日

原点

 一輪挿しを作り始めました。我が原点と言ってもよい器。道を見失ったり、迷ってしまったときにいったん後戻りするのが一輪挿しです。今回はというと別になんという事はなく。息子から少し作ってよというリクエストに応えて。本当は粉引の五寸皿を造る予定でしたが。リクエストに応えて。でも、実はちょっと問題も抱えていたのです。昨日から心配事が起きてしまいました。新しく買った血圧計を家で使ったところびっくりするような高い数値。ははあ、これを心配して病院の医師も次はいろいろ検査をすることにしたのだなとわかりました。こっちもちょっと絶望的な気分。昨日はアルコールもやめて早々と布団に潜り込んでしまいました。夜中に浮かんだ言葉。親鸞聖人が言った。「明日あると思う心の仇桜 夜半に嵐のたとえもあるぞ」でした。人の命だって同じこと。永遠の命などありません。今この瞬間を大切に生きねばと思うのです。今日わが陶芸の原点に戻れたという事は、きっと意味があるのだと思います。

2025年2月27日木曜日

豆皿

 昨日は削り。今日またろくろで挽きました。青釉の豆皿を。縁を波打たせて。こういう作業をするとき蹴ろくろは便利だなあと思います。手と足が連動するって。注文いただいた数よりもたくさん挽きました。最近青ばかりでなく粉引の白も人気があります。下地を黒く染めると上の白が際立つ気がします。昔油絵を描いていた時下塗りが大切なことを学びました。今になってその頃の経験が役立つとは。まさに昔取った杵柄という事でしょうか。ちょっと違う気もしますが。

2025年2月26日水曜日

おでかけ

 昨日は病院、今日は免許証の受け取りと棚卸で二日連続のお出かけ。昨日の病院はなぜか血圧が高くて、三か月後はあっちこっち検査をすることになりました。なんだか暗い気持ち。帰り道、元気をつけるために雨ニモマケズをずっと暗誦していました。大きな声を出して。まるでお経を唱えるように。今日は警察署の後にお土産屋さんとホテルの売店へ。気が付けば今年も二か月が過ぎようとしています。今日、くるまの中で思ったのですが雨ニモマケズの後に注文の多い料理店のオブジェに挑戦しようと。童話に中ではイギリスの山の中に突然現れた西洋料理店という設定でしたが、舞台を日本の山の中、山猫軒というあるじが険悪な表情のネコ。レストランんは木造の西洋建築でゆこうと考えています。以前何かの童話の本で見たような感じ。以前狼のオブジェを作ったことがありましたがその顔を山猫という設定にして。果たしてどんなものが出来るやら。そのあとは童話シリーズでいろいろなオブジェを造ろうかと。車での帰り道。ふと道沿いに西洋風の街灯が並んでいるのを発見しました。あの街灯も造れないものかと思案しております。

2025年2月25日火曜日

欲望

 雨ニモマケズの中に「欲はなく決して怒らずいつも静かに笑っている」。というのがありますが。この歳になって欲張りでしょっちゅう怒り、人にかみついている我が身を振り返ると、なんとも絶望的な気持ちになります。でも、ひょっとして、そんな風に出来なくて賢治もあの文章に残したのでしょうか。人とは悲しいもの。あらゆる欲望を捨てて、仏様のように顔には出さず淡々と生きることが出来る人間なんて果たしているのでしょうか。振り返って誰かいたかなあと思い起こすと、一人頭に浮かんできました。彼は東京で警視総監をやっていた人の息子。確か、大昔小包が爆発して母親を失っていたと思います。今頃どこでどうしているものか、確か剣道が強かった気がします。

2025年2月24日月曜日

寒波

 この冬一番の寒さ。作業する手が凍えます。ここを乗り越えれば春が来そうです。なんか、憂鬱な気分ですねえ。ここのところあまり良いニュースがありませんし。ただ、雨ニモマケズの方は少しずつ進んでいます。昨日は夜中にずっと朗読を聞いていました。それに春と修羅の詩も。「俺は一人の修羅なのだ」という言葉が頭をぐるぐる。そう、現世は修羅道、真っただ中。色々あるのも修業です。

2025年2月23日日曜日

雨ニモ

 宮沢賢治が好きです。春と修羅もいいですがなんといっても雨ニモマケズでしょうか。メンタルスケッチ モディファイド 。心象風景と名付けられた日記のような文章。そんなノートに走り書きのように書かれた短文です。自分の身の回りに置いておきたくて三島で造れないかなと考えました。逆文字で彫った印を押して浮き上がった表現。うまくできるかわかりませんが、夕方、思いついた道具を作ってみました。果たして上手くゆくかどうか。自分の楽しみのためです。少しずつ進めることが出来たらと思っております。

2025年2月22日土曜日

野暮用

 朝から小忙しい日でした。次から次とちょっとした用件が生まれてきました。そんな日もありますよねえ。何があったと特にいうようなこともないのですが仕事が手につかない。別に大した仕事があったわけでもありませんが。達成感のない一日でありました。

2025年2月21日金曜日

スワローズ

 つば九郎が亡くなりました。まだ51歳とか。心よりご冥福をお祈りいたします。もうあのくるりんぱが見られなくなるとは、淋しい限りです。球団社長に続き。何とか今年こそ、頑張ってほしいと思います。思い起こせば球団の歴史と同じ歩みをして、神宮球場からすぐ近くで育った身としては、感慨深いものがあります。あそこが改装するという噂も耳にしますが、わがスワローズに輝かしい歴史が刻まれることを願わずにいられますん。

2025年2月19日水曜日

釉薬仕事

ひらがなとカタカナを彫り終えました。ところが印鑑の原形はまだまだ山のように残ってます。どんな模様にしようかと考えていたら、人が動き出した気配。のんびりハンコを掘ってる場合じゃないことに気が付きました。週末まで置いておき明日からは釉薬仕事に入ることにします。心のゆとりがあるとき あれこれ新しいことにチャレンジしようと思ったりしたのですが、息子とやりあってしまい、立つ鳥後を濁さずといいますから出来るだけおとなしく、はいはいと言うがままに過ごそうかと思っております。昔好きだったある作家さんの事が気になって調べたところ、ほぼこの齢にお亡くなりだったという事を知りました。もうそんな歳なのですねえ。変に気張って、余計なことを考えることはやめることにしたいと思っています。

2025年2月18日火曜日

外出

 用事で出かけました。まずは役場から。後期高齢者になって医療保険の金額が上がって役場まで直接支払いに行きました。まだ現役で働いていて収入に応じて金額が変わるようです。特に屋久島は高いらしく、なかには住民票は移転せずに島で暮らす人もいるとか。国は何とか平等な制度を作ってくれないものかと思ったりも致します。今日は風が強く寒さが身に沁みます。粘土仕事をしているとどうしても服が汚れてしまい洗濯機は作業着を洗うために別に用意して使っておりました。その二層式の洗濯機が壊れたという事で新しいのを買いに行きました。ここにきてなかなか物入り。帰りには食料品も買わねばならず、お米のコーナーは品薄なうえにまた値上がりです。なんだか買い物をする意欲も薄れ、寒風吹きすさぶ中を意気消沈しての帰宅となりました。そんな中でも春の花は確実に季節の巡りを知らせてくれます。明日からも希望を持って進んでゆきたいと思っております。

2025年2月17日月曜日

続 かな印

 今日も一日印鑑の原形づくりでした。数をあたってみたらなんと700個分。百か二百ぐらいと思っていたのですが、多すぎます。だってひらがなで50、カタカナまで作っても合わせて百ほどですから。あとどんな彫りを入れたら良いのやら。皆目見当がつきません。おまけに休憩も取らずひがな手を動かし続けていました。細かい仕事には慣れているのですが。何しろ毎年小さな七福神を5000個ぐらいは造っていたのですから。ただ、行き先が見えない仕事っていうのは不安になります。どんどん乾燥してゆきますし。今週中にめどが立つことを祈っております。

2025年2月16日日曜日

かな印

 ひらがなの印を造り始めました。前に造った漢字の印が少し小さかったので一回り大きく。前回はたたらで造ったのですが今回はスラブローラーで伸ばしました。二センチぐらいにと造り始めましたが小さく切りそろえるのが大変でした。ナイフのようなもので切ろうとすると、粘土が柔らかいので変形してしまいます。一日かかって切り分けるところまで。初めは五十音ぐらいなら彫り終わるかなと思ったのですが、全然でした。これから一週間で造り終えることが出来るのか。なかなか道遠しという感じです。

2025年2月15日土曜日

午前中に三島印を施して、三時過ぎからろくろに向かいました。中型の鉢、縁を開いた形です 。ところが、いきなりへたって落ちてしまいました。造り始めていきなり出ばなをくじかれてしまいました。そのあと、ビビってしまい最後まで恐る恐る。こうなるとどこか器に勢いがなくなってしまいました。野球のピッチャーでいうところの置きに行くピッチング。かといってプロですから没にもできませんし。ここは、明日の削りと三島作業に掛けます。瓢箪から駒という言葉もありますし、終わってみたら、結果オーライという事だって。明日がある明日がある明日があーるーさ。

2025年2月14日金曜日

日和

 穏やかな陽気。海も凪ぎて、空にはまん丸の月。荒れた天気が続いてましたが、こんな日が訪れて心も穏やかになります。仕事も粛々と。土練機を回したり化粧を掛けたり。午後にはお茶碗を造って。本当に、静かな一日。ほっとできる日です。平静な日が続きますように。

2025年2月13日木曜日

ドイツ

 夕方のお客さん。自転車でドイツから。一昨日の夕方もドイツからのお客さん。今日の方は古い懐かしいフィルムカメラを手にしてました。もう二十年使っているとか。古い物を大切にする。彼らは徹底しているらしいです。器をいくつか買ってくれましたが、袋はいらないとのこと。カバンに直接入れるからと。無駄にしないという考え方は参考にしたいと思いました。

2025年2月12日水曜日

 昨日、お客さんから注文を頂きました。ろくろで高さ30センチまで挽かないといけません。昔だったら楽勝でしたが、この齢、おまけに腰の痛みがまだ残っている現在です。何とか蹴ろくろでチャレンジしました。出来るものですねえ。ほぼ目標を達成。ただ少しだけ高さが足りません。足りない分は後からつぎ足そうと思います。蹴ろくろだとそういう細工がやりやすいので。なんにしてもまだまだ工夫次第では何とかなることがわかりました。あとは焼き方次第。頑張って素敵な花瓶を目指します。

2025年2月11日火曜日

春が来た。

 どこに来た。山に来た。里に来た。野にも来た。そんな感じの陽気になりました。蚊のような小さな虫も飛び始めました。今度は嫌な蚊のシーズンがやってきます。わが家のスズも何とか生きております。オムツを付けて、家をぐるぐる歩いております。認知症らしいです。目もほとんど見えないようです。飼い主であるこっちも先日、運転免許の認知検査をしました。何とか合格しましたが、自分ではなんで合格したのか首をひねっているところです。我がヤクルトスワローズのオーナーもお亡くなりになったとか。おそらく同級生でしょう。もう一度優勝を目指していたようです。今シーズンこそはしっかり応援したいと思っております。我が妻、実はすっかりファンになってほぼ全試合を応援してくれています。夫婦で応援です。つば九郎にも早く元気になってあのクルリンパを披露してもらいたいものです。

2025年2月9日日曜日

 三島の鉢に挑戦中です。昨日のぐい呑みと片口は何とか終了。次の仕事に取り掛かっています。今回はろくろではなく型を使って。新しく作った型です。たたらで柄を入れた後に型にかぶせて、高台を付ける予定です。型物は成形する前に印を施すことが出来ます。だから丸い器でも方向性を持たせることが出来ます。丸以外でもいろいろな形にできます。これが終わったら、寿司台のようなフラットな物にも挑戦しようと思います。色々試してみたいと思っています。

2025年2月8日土曜日

さぶ

 今年一番の寒さ。特に火の気のないこの部屋は深々と冷え込みます。午前中はろくろに向かって昨日挽いた器を削っていましたから、体を動かしてましたが午後からは三島印を押してたので動かしたのは手先だけ。ストーブは焚いてましたが隙間だらけ。指先までかじかんでしまいました。でも大好きな仕事。休憩も取らずにせっせと模様で埋め尽くしていました。新作の印も押し方次第。だんだん慣れてきて、器を見たとたんにどんな柄にするか。頭は介さず、目から直接手に動きが伝わるようになってきました。まあ、実際のところはまだまだ。また次に彫りたい印が浮かんできました。この仕事も何年か続ければましになるとは思いますが。果たして体がどうなることやら。とりあえず寒さに負けないように気を付けましょう。

2025年2月7日金曜日

復帰

 何とかですが復帰を果たしました。先日ろくろには向かいましたが、あの時は削りだけ。今日は制作をすることが出来ました。おまけに朝から土練機も回すことが出来ました。まだ腰に違和感はありますが、これで全面復帰と呼んでも良いでしょう。一時は電動でやってゆこうかと思ったりしたのですが。なんとかかんとか。戻ってきました。よかったあ。これからは決して無理をすることなく少しでも長くやってゆきたいと思っています。

2025年2月6日木曜日

三島皿

 ようやくですが新しい印でお皿を造ってみました。文字印は大皿に押すのに五時間かかってしまいました。目はかすむし、腰は痛くなるし大変な作業となってしまいました。しかし他の小さめのお皿は割と順調に出来ました。特にローラー形のは使い勝手が良いのが出来ました。まず、スラブローラーで薄い板を造って、肩に押し付ける前に三島印を施します。あとは型にかぶせるだけ。印の模様がつぶれないように薄いスポンジの板を型との間に使うのがポイント。明日少し乾いてきたら化粧を掛けようと思っております。

2025年2月5日水曜日

ライフワーク

 今日、何とか文字印を造り終えました。最初は五百個ぐらいイメージしていたのですが結果はおそらく半分ぐらい。まあ、慌てないで随時作り足してゆきましょう。以前作ったのもありますから。もう思い起こせば五十年近く取り組んでいる仕事です。その間には木で作ったり竹を使ったり素焼きに本焼きにといろいろやってきました。おそらく死ぬまで続くことでしょう。いわゆるライフワーク。昔一緒にやっていた吉田明もだいぶ前に他界してしまいました。今は、彼が残した三島関係の本が手元にありますが。彼は朝鮮半島の焼き物に惹かれて足繫くあちらに通っておりました。マッカリまで自作していたようです。こっちはそれほど夢中にはなりませんでしたが、どちらかというとイスラムの文字が面白くて昔はそんなデザインの焼き物を造っていました。モスクの青に魅せられ、タイルのようなものを焼いてみたりと紆余曲折の人生です。どうもこの道一筋という生き方ではなく行き当たりばったりが似合っているのかもしれません。それでも気が付けば印判手に戻ってくるのはやはり原点と言っても良いのかなと思ったりもしています。

2025年2月4日火曜日

三島印

 今日も昨日の続きです。寒くて筋肉が硬直したようで、腰の痛みが復活しました。おまけに同じ姿勢で一日作業。まあ、何とか体がもってくれたことは良かったのですが。それに今日で大体終わらせることが出来ました。なんだか、はんこ屋さんになったみたいです。最後に絵の具で色を塗ってカミさんにもらった箱に納めました。自分で作った棚は出来が悪すぎて没。これで新作の印を使った器が造れそうです。先日三島の器を注文した人のお姉ちゃんが来て催促されてしまいました。一歩ずつですが前には進んでおります。

2025年2月3日月曜日

 三島の印が思ったほど、はっきり出ないので、素焼きを終えたところで彫りなおすことにしました。この作業、いつもよりも高い温度で焼いたので、なかなか作業が進みません。いつもは素焼き温度が750度ぐらいですが今回は900度ほど。わずか百五十度ぐらいの違いですが、こんなに硬くなるとは。吸水性もかなり減りそうです。篆刻刀を使ってもなかなか捗りません。あと、二三日はかかりそうです。三島の仕事は段取りが大切。頑張って準備をしておかないと、後悔しそうです。

2025年2月2日日曜日

節分

 なぜか、今年は今日が節分だそうです。これからは春に向かってゆくのでしょう。今日は春めいた陽気。三寒四温という言葉が浮かんできます。今日は焼き上がった三島の印を使って、器を作りたいと思っていましたが、工房を整理していたら、腰を痛める前に挽いたカップが出てきました。まだ削りが終わっていません。それで午前中は削り。午後は化粧掛け。夕方三島印を整理するための棚を造ったのですが、ひどい出来で落ちこんでしまいました。もう自分で造るのは諦めて、ちょうど良さそうなものを捜そうかと思っています。いずれにしても暖かくなってくれることは有難い事です。

2025年2月1日土曜日

化粧土

 黒化粧土がなくなったので作りました。腰がだいぶ良くなって重い攪拌バケツも何とか動かすことが出来ました。ミキサーで土と水を混ぜ合わせてそこに酸化金属を加えます。大きなバケツ一杯の化粧が完成。コーヒーカップと急須に掛けることが出来ました。午後になって海外からのお客様。聞けばオーストラリアからとか。あちらは現在夏で暑いそうです。屋久島は来週になると今年一番の寒波とか。地球は大きいと実感しました。